横浜・コンズ・コーナーで開かれた蒼龍葡萄酒・鈴木大三さんを囲むワイン会に参加してきました。 (写真は暗くてボケボケのうえ、目はフラッシュでまっ赤。 今回はほかに撮った写真もほとんど使い物になりませんでした。スミマセン。) 参加者はmixiのグループの方々が中心。なので最初から和気あいあいと盛り上がりました。 鈴木さんは内心「マジメなカンジのワイン会で、たくさん喋らなきゃいけなくなったらイヤだな。」と思ってたそうですが、そんな心配は一切無用の雰囲気でした。 主催された方のこんな手作りメニューも。力作です。 まずは新酒を6種類(!)。葡萄を収穫した順に楽しむという趣向です。 デラウェア、アジロン、巨峰、甲斐路、マスカットベリーA、ナイアガラ。 大半が生食用の品種ですが、こうして飲むと収穫時期の違いが分かって楽しい。 個人的にはデラウェアが好きだったけれど、いずれもすっきりした甘さで、ぶどうそのものの個性が感じられるワインでした。 いろんなぶどうの食べ比べって考えると、ぜいたくな気分です。 そして甲州のスパークリング、「マディ甲州」。 瓶内二次発酵で、デゴルジュマンはしていないという意欲作。おいしそうです。 ガスは純粋に発酵由来で、5気圧という結構な高さです。 「すっごく吹くよ!」という醸造家じきじきの言葉に、一同固唾を呑んで見守りましたが、 サービスをしてくれた日本ワイン応援団団長・キヨさんの腕で無事に流出は防げました。良かった良かった。 こういう大人数のワイン会だと、飲む量が少ないと悲しいもんね。 話はそれますが、前にyoutubeで見た 『滓とガス気圧がすごくて、水中でないと開けられないスパークリング』ってのを思い出しました。 http://jp.youtube.com/watch?v=xeQdCZLAA6c 確か水中で開けるときれいに滓が出るって話がどこかに書いてあったけど、 こちらの「マディ甲州」は滓も一緒に楽しみました。 甘さと酸味がストレートに主張してくるワイルドな魅力のスパークリング。 美味しかったです。でもこのワイン、開ける時期によって印象が大きく変わるはず。 次はメルシャン「きいろ香」でも有名なVL3酵母を使用して、柑橘系の爽やかな果実味を前面に出した「シトラスセント」。 なんと2006,2007,2008の垂直です。 思っていた以上にヴィンテージごとの個性の違いを感じました。 ただいずれも「きいろ香」よりもずっと伝統的な甲州に近い印象があります。 すっきりとしてイイ感じ。 鈴木さんによれば「酵母の特性は年が経つと消えちゃうんですよね。」とのことでしたが、 2006年はなぜかソーヴィニヨン・ブランのようなハーブっぽい香りが強くて一番印象的でした。 この香りは酵母とは関係ないのかな? 次は樽熟成のヴィアント・ドール。 確か一空きの樽というお話でしたが、オークの香りがかなり前面に出ています。 ただワインそのものと乖離してしまうほどの強烈さはなく、重厚な味わいを楽しめました。 そして「甲斐ノワール2005」。 甲斐ノワールは、もともとのぶどうが結構ワイルドな風味のせいか、造り手によって結構違いが出る気がします。 品種そのままにワイルドなタイプ、スパイスの香りが前に出る洗練されたタイプ、果実味がたっぷりのタイプ、 思わずお腹が減るような、酸味の豊かなタイプ。 今回の甲斐ノワールは非常に果実味や酸のバランスがよく、とても美味しいです。 2005年はキヨさんがワイナリーで偶然ゲットした代物だとのこと。貴重なストック放出、感謝です。 このあたりから、詳細は怪しいカンジ。キヨさんが書いた日記をもとに進めます。 「Soryu Premium カベルネソービニヨン2006 」 まだ樽の中で眠ってるワインを特別に持ってきたもらったものです。 以前にワイナリーで試飲させてもらったものと同じだと思うのですが、そのときと印象が違うような…。 比較的軽めの味わいで、今後が楽しみという印象でした。 「Soryu Brut Rose」 メルロとシャルドネをブレンドしたスパークリング。 やはり瓶内二次発酵ですが、こちらはシャンパーニュスタイルとのこと。 ということはブレンドは二次発酵の前ってことかな? 手が込んでいます。(確認してません。スミマセン。) 味わいはすっきりと爽やかな甘さが印象的。色もきれいです。『締め』にはぴったりの泡でした。 そしてこの後はなんと食後酒! うーん蒼龍葡萄酒、恐るべし。 これほどバラエティに富んだラインナップを造るのはさぞかし大変なはず。 鈴木さんに伺ってみたところ、ちょうど大きなレストランの厨房のように、 醸造チームも仕事の役割分担がはっきり決まっていて、 隣の人が何をやっているか分からないこともしばしばなんだそうです。 素人考えで「じゃあ、その仕事を一定の期間おきに順繰りにすれば、全員が全部の仕事を覚えられますね。」と聞いてみたところ、 「いやー自分も最初そう思ったんですけど、現場はそんな余裕ないですねー。」とのお答えが。 あの豊富なラインナップです。考えてみればそうですよね。 そのため醸造チームは誰か一人でも欠けてしまったら機能しない、ギリギリの状態なんだとか。 一人で造るのも、大勢で造るのも、ワイナリーはそれぞれが苦労を抱えているんですね。 話は戻ってデザートワイン、まずは「フリーズ甲州」。 冷凍濃縮の技術を用い、ぶどうの糖度を36度まで高めて仕込んだ甘口ワインです。 デザートワインとはいえ、甘さはすっきり。甲州の個性も魅力的なチャーミングなワインでした。 次はフォーティファイドワインの「マドゥーロ ヴィーニョ」。 しかし何でもありますね。本当に驚きます。 こちらの印象は軽いタッチのポートワイン。日本では珍しいタイプのお酒です。 そして「Chateau Soryu 甲州古酒」。 ヴィンテージは不明の古酒です。こちらははっきりと酸化のニュアンスが。まんまシェリーでした。 しかしよく飲みました。お隣のかたは「こんなに飲んだの生まれて初めて!」と言ってましたが、無理もありません。 食後酒だけで3種類なんて、ヨーロッパの貴族もびっくりの豪華さです。 しかしなぜか会の後はワインバーにも。お隣の方からデクラセの赤ルロワなんてお宝ワインをいただきつつ、お疲れさま会です。 この日はたまたま翌日も横浜で用事があったため、例によってビジネスホテル格安プランで一泊。 翌朝は同宿した鈴木さんと中華街でお粥を食べた後、横浜スタジアム近くのスタバのテラス席でコーヒー。 「いやーリッチですねー。」 男二人でなんだか優雅な朝でした。
by inwine
| 2008-12-07 19:04
| 日本ワインを飲める店
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