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山形ワイナリーめぐり<2> 赤湯のワイナリー その1

山形の旅2日目は、温泉街・赤湯の醸造所へ。最初にお邪魔したのは酒井ワイナリーです。

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創業は1892年(明治25年)。
現存する最古のワイナリーといわれるまるき葡萄酒が1891年の創業ですから、
まさに日本有数の歴史を持つといえます。
今回は伝統を受け継ぐ酒井家の五代目当主、酒井一平さんに案内をしていただきました。

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こちらのワインはどれも濾過を一切していません。
樽貯蔵しない場合は、醸造後すぐに一升瓶に詰めて長期間静置。
滓引きもせず、上澄みを改めて瓶詰めするという手間と時間のかかる丁寧な造りをしています。

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MLFを行うのは樽熟の赤のみ。それもスターターは使わず、自然に始まるのを待つだけだそうです。

「ただ昔ながらのやり方で造っているだけです」と謙遜する一平さんですが、
ワインは真摯な姿勢を反映するように、どれも非常にきれいな仕上がりです。

「バーダップ シャルドネ2008」はキリリとしたリンゴ酸が美味しく、
品種の個性がはっきりと分かるすっぴん美人なワイン。
樽を一切、使っていないこともあり、葡萄の素性の良さがよく分かります。

「バーダップワイン白」もシュール・リーせず、樽を使わず、MLFせずの化粧なしワイン。
素直な美味しさがほっとするような味わいです。

「バーダップ 樽熟成スペシャルブレンド」はカベルネとメルロのブレンド(CS70%、Me30%)。
以前も飲んだことがあるのですが、果実の凝縮感と酸のバランスがすばらしい。
カベルネがよく熟しているのがはっきりと分かります。すごく美味しい!

エチケットも秀逸。これは本当に昔のラベルをそのまま復刻したそうです。

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中央には「山三印」という文字が見えます。
昔の屋号らしいのですが、詳しいことはご家族にも分からないとのこと。
うーむ、逆にリアルな歴史を感じます。

さらに「たまたま空けて飲んでみた」というカベルネ・ソーヴィニヨンの2002年も飲ませてもらいました。
これがびっくりするほど骨格のしっかりしたワイン。
「7年モノ」ですが、果実味も酸もフレッシュそのもの。まだまだ熟成が期待できます。
一平さんのお姉さん、紀子さんによれば「昨日飲んだときはかなり硬かった」とのこと。
このポテンシャルはすごいです。あと数年待ったら至福の味わいになりそう。

訪問した日はあいにくの雨だったのですが、少しだけ一平さんに自社畑を見せていただくことに。

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畑の名は「沢」。中に小さな川が流れているそうです。植えられているのはカベルネ、メルロ、ベリーAなど。
南東向きの傾斜の強い斜面で、いかにも日当たりがよさそう。
遠くから眺める感じでしたが、立地環境は実感できます。

ここに意外な動物がいました。

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3匹の羊たちです。(写真は最近仲間に加わった子羊。)
彼らの役目は除草剤の代わりに雑草を食べまくること。
農家では昔から飼っている人が結構いるそうです。がんばれヒツジくん!

そういえばワイナリーにはこんなポスターも。「我が家」というのがイイ感じです。

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伝統のワイナリーを受け継ぐ、情熱ある若い造り手。
最近、新しい畑にカベルネ、メルロ、リースリング、カベルネ・フランなどを植えたそうです。
今後はベリーA、ブラック・クイーンも増やしていきたいと教えてくれました。
日本ワインの未来、ここでも見つけることができました。

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次は佐藤ぶどう酒へ!

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「金渓」という名前は、かつてこの地で金が採れたことに由来しているそうです。

お相手していただいたのは、社長の佐藤アサ子さん。
いかにもよきお母さんという感じの、明るく楽しい方です。

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2007年から息子さんが醸造をお父さんから引き継ぎ、ワイン造りを続けているそうです。
まずは簡単に醸造設備を拝見。

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その後、早速試飲をお願いしました。

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「金渓プレミアム・ルージュ2006」は柔らかいタンニンとしっかりした酸がうまく組み合わさったワイン。
果実の凝縮感も感じられ、美味しい。

「金渓スペシャルブレンド・ブラン2004」は赤湯産の甲州種を樽熟成50%、瓶熟成50%でブレンド。
ブレンドの効果はしっかりと現れているように思えます。
樽が前面に出すぎず良い感じで効果を上げている一方、
2004年ヴィンテージながらクリスピーな酸がしっかりと生きている。
造り手のセンスの良さが伝わってくるようなワインです。

「メルロー2007」は温度が低かったせいもあり、最初は香りがおとなしめでしたが、
時間がたつにつれ、徐々に開いてきました。
いかにもメルロらしい黒い果実、土の香りがたちのぼります。
味わいはやはり果実味と酸のバランスがとれていて、きれいなワイン。
プレミアムシリーズはよりはややスケールは小ぶりですが
とても1500円台とは思えないクオリティでした。

試飲しながらいろいろなお話をうかがいました。
こちらのワイナリーも自社畑にかなり力を入れているとのこと。
お邪魔した日の午前中も雨の中、摘芯をしてきたばかりとおっしゃっていました。

現在販売中のワインは先代が手がけられたワインが多いのですが、
これからは2人の息子さんがしっかりとワイナリーを支えていくことになるはず。
若い世代のワインはどんな味わいなのでしょうか。楽しみです。
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by inwine | 2009-07-12 11:38 | ワイナリー訪問