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「日本のおかずを訪ねる。」 <ビールのおつまみ編> 続き

さて、ビールのおつまみ探訪の続きです。

前回はマカロニサラダが〇、ナムル〇&△、そしてアサリキムチが×(涙)という結果でした。
はたしてこのあと、ビールの友とワインとの幸福な出会いは待っているのでしょうか?


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後半戦、最初の挑戦者は鯵の押し寿司。
刺身系と合わせるならやっぱり白でしょう。というわけで今回、赤は審査対象外です。

下地にさっとくぐらせて、口へ。
モグモグモグ。おお、ウマイ。脂もほどよく乗ってます。

モグモグモグ。どうにもこの鯵てえのは、噛み応えがしっかりしててイイねえ。
同じ光りモンでもイワシやサバなんかとは一味違う。モグモグ。
噛むと口ン中に旨みが広がるよ。何しろ味がいいからアジてえくらいだ。

・・・なんてちょっと江戸っ子になりながら、寿司を堪能です。(アレ? 押し寿司は関西?)
まあそんなことはどうでもいいんですが、問題のワインとの相性は?

ワインと青魚というのはそもそも難しそうな組み合わせなんですが、さらに気になるのは酢飯の存在。
実は個人的には、お米と酒全般が合わないような気もします。そのうえ酢飯となればなおさら難しそう。

はたして相性は? 論より証拠。実際にワインを飲んでみましょう。

ゴクリ。

うーん…。

アジとの相性は悪くはないんですが、やっぱり口の中に少しだけ生臭さが広がる気が。
もしかしてコレが甲州だったら、もっと相性が良かったのかも。この点は今後の宿題になりそうです。

そして問題の酢飯は?

……。 やはりワインとはぶつかってしまいました。
酢の酸味もご飯の甘味も、両方に違和感を覚えます。
アサリキムチのように『うへえ』ってほどではないのですが、
それでもやはり『素晴らしく合う』とはとても言えません。

最近は寿司屋さんで、寿司と一緒にワインを楽しんでいる人もよく見かけます。
ですから今回の私の印象も単純に好みの問題なのかもしれませんが、
個人的には、やっぱり寿司にワインは難しいなと改めて思いました。

ワインと料理の相性で最も理想的な組み合わせは『かけ算』を生むような気がします。
つまり料理とお酒という別の要素が出会うことで、それぞれの魅力とはまた別の
おいしい相乗効果が生まれるということです。
その理屈でいえば、今回のワインと押し寿司は『足し算』。
ふたつの異なる要素がただ積み重なっただけで、やや『too much』という感想でした。

というわけで、今回の判定は△。ズバリいって、またもや私の選択ミスでした。
アナゴとかネギトロとか、もう少し合いそうな寿司ネタはあった気がします。
うーむ。下手コキました。

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次に行く前に、箸休めにカブの浅漬けをポリポリ。

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おっ、何気にこれワインにバッチリです。白でも赤でもいい感じ。
こんなふうに漬物を気軽につまみにできるところが日本ワインの良いところですね。

さて、次に登場するのは冬の風物詩・カキフライ。

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寒くなってくると『シーズンが終わる前に牡蠣をいっぱい食っとかないと』と焦るのは私だけでしょうか。
… 私だけですね。すいません。食い意地が張ってて。

今回の牡蠣は広島産。大粒で美味しそうです。
タルタルソースをたっぷりつけて、いただきまーす。

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うん、コレコレ。牡蠣って生もいいけど、火を通すと旨みが増すんだよなー。
ガブリと噛み付くと、ガリガリした衣の下にはふっくらした牡蠣の身。
やがて口の中に旨ウマエキスがじゅわーと溢れてきます。

コレはなんといっても白ワインでしょう。
高畠ワイナリーのピノ・ブランをごくり。

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いやー、いいじゃないか! キミ! 

思わず気分は社長になってしまうほどの相性のよさです。
牡蠣の濃厚な旨みと白ワインのシャープな酸、そしてほどよいコクが絶妙の組み合わせ。

牡蠣にはシャブリ? ボルドーのソーヴィニヨン・ブラン? ロワールのミュスカデ?
冗談いっちゃいけねえ。日本の洋食・カキフライには日本のワインよ!
当たりめえだ、べらぼうめ。

というわけで今回は文句なしの〇。ヨカッタ。

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日本のワインVSビールのおつまみ、最後に登場するのは餃子です。
餃子とビールといえば、まさに切っても切れない組み合わせ。
街の中華屋さんで一杯ひっかけるときには、何はなくともまずは餃子でしょう。

ラーメンや炒飯なんかも最終的には食べたいんだけど、
一緒に頼むと先にそっちが来ちゃうから、
『とりあえず餃子とビール』なんて頼んだりして。
で、ビール会社の名前が入った小さなコップ(だいたい水で濡れてる)で、
チビチビ瓶ビールを飲んで焼きあがりを待つわけです。
会社の同僚なんかと一緒だったら、わりとライトめの仕事の話。
一人だったらお店のスポーツ新聞をめくったりするのがマナー。

まあそんな正しいおじさんのスタイルの話はいいんですが、
そのくらいビールと餃子の関係は深いんですね。
はたしてワインは、そんな強~い絆に割って入ることができるんでしょうか。

今回の餃子は中華屋さんでおなじみの舟形のアレじゃなく、丸くて小さい一口タイプ。
最近流行のヤツですな。醤油&ラー油でいただきます。

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皮はわりとしっかり。でも一口サイズなんで噛みしめた感触もちょうどいい。
中の餡もホロっというよりギュッとした食感で、小さいながらもしっかり食べた感があります。ウマイウマイ。

さてビール… じゃなくてワインを一口。今度は赤ワインの登場です。旭洋酒のソレイユ・クラシック。
『山梨産赤葡萄100%』の文字がなんともステキです。

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お。いいぞ! ご飯とワインはちょっとアレでしたが、餃子の皮との相性はイイです。
焼き目の香ばしさがワインの香りとぴったり。
そしてもちろん中身の餡とワインの組み合わせも文句ありません。
肉や野菜の甘み旨みを、ベリーAのほっとする味わいが包み込むようです。

これはいいですね。予想以上の相性です。
そういえばこのワイン、たぶんベリーAのほかに甲斐ノワールがちょっとだけ入ってるんですが、
旭洋酒の鈴木順子さんが「甲斐ノワールって中華と合うんですよ」とおっしゃっていたのも思い出しました。

そんなわけで、餃子と赤ワインの相性も〇。後半戦は結局、2勝1分けでした。

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ビールの友と日本ワインとの相性を探る今回の試み、
終わってみると何の意味があったのか、さっぱり分からない気もします。
またしても、ただウマイウマイって言ってただけのような。

いや、ひとつ発見がありました。
それは

 『ビールと相性がいいっていう食べ物は多いけど、
 それはワインのマリアージュとはちょっと違う。』
 


ってことです。

どういうことかというと…

前回『アサリキムチと一緒にワインを飲んだら生臭くなってしまった』という話を書きましたが、
実はそのあと、ビールとも合わせてみたんです。
結論からいうと、ビールの場合もやっぱり生臭さを感じました。
ただ、その度合いはワインよりだいぶ少なめ。理由はズバリ、『苦味』です。

そう。日本でビールの守備範囲が広いとされるのは、実は苦味や炭酸の爽快感が
食べ物の味を『洗い流す』せいじゃないかと思います。
鯵の押し寿司のところで『ワインと料理の相性で最も理想的な組み合わせは『かけ算』』なんて書きましたが
ビールの原理はいわば『引き算』なわけです。
脂っこいものも、辛いものも、クセのある風味も、ビールを飲むことでほとんどリセットされる。

もちろん、その効果を悪くいうつもりなんて毛頭ありません。
それどころか食事を楽しむ際の忠実な脇役として、ホントに大事な役割だと思います。
特にいろんな種類の料理を同時に楽しむ場合なんかは、すばらしい働きをするはず。
まさに日本独特のビールが作り上げた、日本ならではの食文化といえるでしょう。

ただ、それはワインでいう相性の良さ=マリアージュとは少し違うかもしれません。
ワインは食中酒として決してオールマイティではないけれど、組み合わせがうまくいったときは
食事の愉しみが何倍にもなったりする魅力があります。料理とワインの両方が主役になってくれるというか。
ただし逆もまた真なり。外してしまうと、カナシイ結果になることもあります。
それでも国産ワインが海外のワインよりも日本の食卓に幅広く合うのは、やっぱり間違いありません。

忙しかった仕事のあとや風呂上りなんかのビールは、いつでも誘惑に逆らえないほど魅惑的。
でもときには日本のワインを空けて、「コレ合いそう」と思う普段のおかずと一緒に楽しんでみてください。
思わずハマッてしまうような、意外で楽しい発見があるかもしれませんよ。
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by inwine | 2008-12-27 15:44 | 日本ワインを飲む