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山形ワイナリーめぐり<4> タケダワイナリー&天童ワイン

山形の旅、最終日はまずタケダワイナリーへ。

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午後1時にうかがう予定だったのですが、少し早めに着いてしまいました。
ワイナリーはまだ昼休み。
「よかったら畑でも見ていてください」のお言葉に、すぐ裏手の畑を見せてもらいました。

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垣根で仕立てられたシャルドネ。樹齢の高そうな幹です。

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下草の奥に隠れた土を、少しすくってみました。

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ふかふかでいかにも水はけがよさそう。鼻を近づけると健康そうないい匂いがします。
自然の力が伝わってくるような土でした。

敷地をさらに進んだ畑もちらっと拝見。こちらは青々した草が生い茂っていました。

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なぜか敷地内ではスプリンクラーが激しく稼動中。
芝があるわけではないのにと不思議だったのですが、この理由は後で判明します。

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1時にワイナリーの昼休みは終了。合図の鐘が鳴り響きます。
まもなく出先から岸平和寛さんが戻られました。

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岸平さんは醸造を担当する社長・典子さんのご主人。
忙しく営業活動に歩き回られ、ワイナリーの顔として活躍されています。
この日も夜から、東京・千駄木ののだやさん主催のワイン会に出席される予定。
ご多忙の中、少しだけごあいさつさせていただきました。

ピノ・ノワールの畑の場所を教えていただき、案内役のスタッフの方と一緒に向かうことに。
ワイナリーの前にはこんな雄大な風景が広がります。

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見渡す限りの葡萄畑はすべて自社の所有です。圧巻の風景でした。
ちなみに先ほど鳴った昼休み終了の鐘は、ちゃんと山の上にも届くそうです。

この日は総出で草刈りの真っ最中。
職場体験に参加していた中学生も作業に加わっていたそうです。
そういえば、駅で改札してくれたのも中学生たちでした。

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しばらく歩いたあと、これかなという場所を発見。
大粒の房がついています。ピノ・ノワールの樹はわずか2列のみ。

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道すがら、栽培担当の方とも立ち話。
「ピノ・ノワールを見に行ったっていうから、場所分かるかなって話してたんですよ。いい葡萄でしょう?」

はい。ホントに元気そうな葡萄でした!

ワイナリーに戻り、設備を見学。まず向かったのは地下の貯蔵室です。

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実はさっきのスプリンクラーはこの真上の地面を冷やしていたんだそうです。
おかげで中はひんやりとした涼しさが保たれていました。

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醸造設備やセラーなどもちらりと見せてもらった後、試飲室で試飲をお願いしました。

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飲んだことのあるアイテムも多かったのですが、やはり葡萄の充実を感じるものばかり。
ベリーA主体の『アサンブラージュ』赤は名前の通り、ブレンドがまさに絶妙。
白(シャルドネ&ベリーA)とともにコストパフォーマンス抜群のワインです。

コストパフォーマンスといえば、定番『蔵王スターワイン』も外せません。
1260円という価格ですが、バランスのよさと優しい味わいはお見事のひとこと。

「キュヴェ・ヨシコ」などのプレミアムワインと、こうしたお買い得なワインの両方が
ラインナップされているのが、タケダワイナリーの魅力です。

今回は『ドメイヌ・タケダ ブリュット シャルドネ 1997』、『蔵王スターアイスワイン 2007』なども購入。
壮大な畑を横目に見ながら、ワイナリーを後にしました。皆さん、お世話になりました!


かみのやま温泉駅から電車に乗り、天童駅へ。次に向かうのは天童ワインです。

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駅からはタクシー。運転手さんが偶然、ワイン好きということでなんだか話が盛り上がりました。

ワイナリーの見学は要予約ということで、今回は試飲のみをお願いすることにしました。
お相手していただいたのは、醸造の責任者・佐藤政宏さん。

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ワイナリーとしての創業は1984年。山形のワイナリーは創業が古いところが多いため、
「ウチは歴史が浅いんです」と佐藤さん。
けれど25年という月日は決して短いとはいえません。

山形に戻る前には、山梨のまるき葡萄酒で修行をされた経験も。もう30年近く前の話だそうです。
ワイン造りの苦労をお聞きしたところ、農家さんとの関係作りについて話を聞かせてくれました。

佐藤さんが山形に戻って仕事を始められた頃は、ワイン用葡萄に関する理解はまだ高くはなく
質の高い葡萄を手に入れるのに苦労したそう。
農家さんを交えてさまざまなワインを飲んだり、交流を深めながら
少しずつ信頼関係を築いていったということでした。

現在、天童ワインのフラッグシップといえるのが『原崎シャルドネ 2006』。

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この「原崎」(ばらざき)というのは地名ですが、
ワインの原料となる葡萄は一軒の農家さんの畑で作られています。
見事な斜面の写真がボトル裏にも貼られていました。

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味わいは品種の個性が真っ直ぐに打ち出された本格派。
樽も使われていますが、葡萄のポテンシャルをマスキングするような過剰な強さはなく
充実した果実の魅力が伝わってきます。中盤のボリュームがしっかりと感じられ、骨格も十分。
また丁寧に作られたことがうかがえる、クリーンさも備えています。
「こういうワインが作りたい」という造り手の思いが伝わってくるようでした。

よりリーズナブルな『山形シャルドネ 2008』もそうした個性の面はまったく同じ。
すっきりと飲める、清清しいワインです。迷わずゲットしました。

「ベリーAはお好きですか?」と聞かれたので「ハイ」と答えると、
「これはよく酸っぱいっていわれちゃうんですけど」と
『荒谷原マスカットベリーA』を注いでくれました。

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エチケットには「マロラクテッィク発酵」の文字がありますが
シャープでキレのある酸がとても美味しい。
山形独特のこの酸がワインにしっかりした骨格を与えています。
「酸っぱい」どころか、魅力そのものだと思いました。

もうひとつ驚いたのは『山形メルロー』。

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シャルドネ同様、メルロの品種個性がトップノーズからはっきり伝わります。
果実味もしっかりとあり、やはり葡萄のよさがうかがえます。
これはいいワインと思い、値段をみるとなんと1500円台。
思わず「安いですねー!」と言ってしまいました。こちらも購入決定です。

「栽培の契約をお願いするには、仕事だけでなく人間性も大事」と佐藤さんは言います。
ここだと決めた農家さんとは、収穫量が決まる前に契約してしまうそうですが
ときにはそうした全面的な信頼を裏切られ、苦い思いもしたことも。
さまざまな苦労を重ねた結果、現在は高品質の葡萄を確保しています。

ただ現在は農家の高齢化が悩みの種。
どの地方でも共通の問題ですが、自社畑を持たないワイナリーではより深刻といえます。
佐藤さんも解決策を模索中。きっと新しい道を見つけ、高品質のワインを造り続けてくれるはずです。

いろいろな興味深い話を聞かせていただき、思った以上に長時間、滞在してしまいました。
佐藤さん、お付き合いいただきありがとうございました!

タクシーを呼んでいただき、ふたたび天童駅へ。
これで今回の山形の旅は終わりです。

全部で7社のワイナリーを回りましたが、栽培、醸造、ワイン造りの方向性など
お会いした方の数だけ違う要素もあり、とても興味深い体験ができました。
一方でどなたもが共有する思いや課題があったのも確かです。
駆け足でしたが、今まで深く知らなかった山形ワインの魅力に、
少しだけ触れることができたような気がします。

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今回も実りのある旅でした。温泉も最高だったし、またすぐにでも出かけたい気分です。
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by inwine | 2009-07-16 17:18 | ワイナリー訪問
山形ワイナリーめぐり<3> 赤湯のワイナリー その2

佐藤ぶどう酒の次は大浦ぶどう酒へ。
創業は昭和14年。やはり70年という長い歴史を持つ醸造所です。

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ご案内いただいたのは、4代目・大浦宏夫さん。
当時、赤湯の町では金が採掘されており、もともとは金目当てでこの地を訪れた山梨の人が
葡萄の苗木を植えたとされているそうです。

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この時期、仕込みは完全にお休み中。機械もすべて片付けられているため
外から様子をのぞきながら、写真を使って紙芝居風に醸造工程を説明してもらいました。

さらにセラーも拝見。
貯蔵中の樽の周囲には瓶詰めされたワインが整然と積まれています。

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清潔で、とてもいい雰囲気の場所でした。

さて、ワイナリーの入口を入ってすぐにある試飲コーナーへ。
壁にはさまざまな種類のボトルがずらりと並びます。

「これからは少し種類を絞ろうかとも考えています。」と大浦さん。
現在、扱っている葡萄はセイベル9110、デラウェア、ベリーA、甲州、ブラック・クイーン、山葡萄、
カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネ、リースリング、ナイアガラ、キャンベル・アーリー。
さらにサクランボやラ・フランス、りんごも醸造しつつ、それらの果実のジュースも作っています。
もちろんひとつの品種につき、一種類というわけではありません。
甲州はSC(スキンコンタクト)、SL(シュール・リー)と醸造の違いで別々の銘柄が出ているなど、
造り手としてのこだわりもみえます。

これだけいろいろな種類があれば、仕込み期間は目が回るほど忙しいはず。
スタッフは8人ほどいらっしゃるようですが、決して多いとはいえないでしょう。
見学にお邪魔している間、何人かの方にお会いしましたが、
皆さんにっこり笑って挨拶していただいたのが印象的でした。
大浦さんももちろん、どなたも本当に感じの良い方ばかりです。

最初にいただいたのは白ワインと同じ醸造フローで黒葡萄を醸したブラッシュワイン、『ブラッシュベリー』。

名前の通り、葡萄はベリーAです。鼻を近づけると、この品種独特のイチゴっぽい香りがすぐに立ち上ります。
やさしい甘さが魅力的ですが、山形らしい酸がしっかりとあり、輪郭はぼやけていません。
非常にチャーミングなワインでした。

『バレルエージング・メルロ 2004』はワイナリーのフラッグシップのひとつ。
ほどよい樽の風味、シルキーなタンニン、豊かな果実味がバランスよく溶け合ったスケールの大きなワインです。
やはり葡萄の充実した完熟がはっきりと伝わってきます。

このシリーズは国産ワインコンクールの受賞常連。確かに見事なクオリティです。

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『セパージュワインシリーズ』は『バレルエージングシリーズ』よりはリーズナブルな価格帯ですが、
こちらもかなりの実力派。

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メルロ独特の黒い果実の香りが鼻をくすぐり、厚みのあるボディを持ちながらも
楽しくスイスイと飲めそうなチャーミングさも持ち合わせています。
美味しい! 思わず2本ゲットしました。

ボトルの裏には「1~2時間前に開けてください」の文字が。
確かにその後家で空けたとき、抜栓後すぐはタンニンの主張がやや強めに感じました。
ただし一杯飲む頃には、果実味とうまく溶け合い、バランスよく変身。
うーむ、ボトルに書いてあった通りです。

『エレガンス 赤』はワイナリー販売限定。カベルネ100%ですが、樽はかけていません。
ぶどうの素性を知るにはこういうまっさらなワインが最適です。
試飲させてもらうと…。

おおー、ウマいです。
カベルネにありがちな青さがほとんど感じられません。

このぶどうで作られるワインは樽熟成の行程を経るものがほとんどですが
この『エレガンス』からは、本来の品種の香りというものを改めて感じることができます。
逆に言えば葡萄に自信がなければ、こうしたワインは造れないはず。

このほかにもさまざまなお話を聞かせていただきながら、
たくさん試飲をさせてもらい、やや酔っ払い気味に。
大浦さんの誠実そうな人柄は、ワインのキャラクターそのもの。
どのボトルにも親しみやすい楽しさがありました。

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さて、タクシーを呼んでいただき、最後の目的地を目指します。
大浦さん、お世話になりました。


須藤ぶどう酒工場は赤湯のワイナリーの中ではひとつだけ離れた場所に位置します。
母体は紫金園という観光ぶどう園。

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家族経営で生産量はごくわずか。ネットでは年間3キロリットルという記述もありました。
ボトルにして数千本というところでしょうか。

ご案内していただいたのは、醸造を担当される須藤氏の奥様。
「お父さんが全部ひとりでやってるのよ~」と明るくお話を聞かせてくれました。

こちらでも醸造所やセラーを簡単に見せていただきました。
歴史を感じさせる風格です。

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目に付いたのは、このバスケットプレス。

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今もバッチリ現役。すべてこれで搾っているそうです。
やるなー。まさに手作りの魅力です。

入口の樽の前で、お話を聞きながら試飲。

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リースリングを使った『南陽ワイン』は柔らかな酸と甘みが魅力的。
キリッと冷やして、すっきりと飲める楽しいワインです。

『赤湯ワイン』の葡萄品種は甲州。
シャープなリンゴ酸が爽やかな、山形らしいワインです。
山梨の甲州とはやはり一味違うのが楽しい。

面白かったのは次のワイン。
試飲の際、「品種はなんですか?」とお聞きしたら、
「何か当ててみて」といたずらっぽく言われてしまいました。

甘みの強い味わいに、深く考えずにラブルスカ系の何かかなと思ったのですが、
正解は「マスカット・オブ・アレキサンドリア」。
いわゆるマスカットです。

生食用の中には一房ウン千円もするものもある高級ぶどう。
たしかポレールのやつを飲んだことがあるような気がしますが、
あまりワイン用として使われることはないはずです。

「ホントはワインにするのはもったいないんだけどねー」と須藤さん。
すっきりとした甘さが魅力的。素直に美味しいです。

こちらのワインの特徴はなんといっても、すべて自家栽培の葡萄であること。
広々とした葡萄園には、さまざまな種類が栽培されています。
多くは生食用ですが、ワイン用品種も樹齢が高く、立派な木ばかり。
長い歴史を持つ葡萄園ならではの強みです。

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これはマスカットベリーA。長い時を経て、まさに「木」となった迫力ある姿です。

雨の中、少し歩き回らせてもらいました。

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「最後にお写真を一枚」とお願いすると、ポーズまでとってくれました。
須藤さん、楽しい時間をありがとうございました!

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赤湯ワイナリーめぐりはこれで終了。さあ、温泉入って生ビールだ! アレ?
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by inwine | 2009-07-14 13:07 | ワイナリー訪問
山形ワイナリーめぐり<2> 赤湯のワイナリー その1

山形の旅2日目は、温泉街・赤湯の醸造所へ。最初にお邪魔したのは酒井ワイナリーです。

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創業は1892年(明治25年)。
現存する最古のワイナリーといわれるまるき葡萄酒が1891年の創業ですから、
まさに日本有数の歴史を持つといえます。
今回は伝統を受け継ぐ酒井家の五代目当主、酒井一平さんに案内をしていただきました。

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こちらのワインはどれも濾過を一切していません。
樽貯蔵しない場合は、醸造後すぐに一升瓶に詰めて長期間静置。
滓引きもせず、上澄みを改めて瓶詰めするという手間と時間のかかる丁寧な造りをしています。

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MLFを行うのは樽熟の赤のみ。それもスターターは使わず、自然に始まるのを待つだけだそうです。

「ただ昔ながらのやり方で造っているだけです」と謙遜する一平さんですが、
ワインは真摯な姿勢を反映するように、どれも非常にきれいな仕上がりです。

「バーダップ シャルドネ2008」はキリリとしたリンゴ酸が美味しく、
品種の個性がはっきりと分かるすっぴん美人なワイン。
樽を一切、使っていないこともあり、葡萄の素性の良さがよく分かります。

「バーダップワイン白」もシュール・リーせず、樽を使わず、MLFせずの化粧なしワイン。
素直な美味しさがほっとするような味わいです。

「バーダップ 樽熟成スペシャルブレンド」はカベルネとメルロのブレンド(CS70%、Me30%)。
以前も飲んだことがあるのですが、果実の凝縮感と酸のバランスがすばらしい。
カベルネがよく熟しているのがはっきりと分かります。すごく美味しい!

エチケットも秀逸。これは本当に昔のラベルをそのまま復刻したそうです。

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中央には「山三印」という文字が見えます。
昔の屋号らしいのですが、詳しいことはご家族にも分からないとのこと。
うーむ、逆にリアルな歴史を感じます。

さらに「たまたま空けて飲んでみた」というカベルネ・ソーヴィニヨンの2002年も飲ませてもらいました。
これがびっくりするほど骨格のしっかりしたワイン。
「7年モノ」ですが、果実味も酸もフレッシュそのもの。まだまだ熟成が期待できます。
一平さんのお姉さん、紀子さんによれば「昨日飲んだときはかなり硬かった」とのこと。
このポテンシャルはすごいです。あと数年待ったら至福の味わいになりそう。

訪問した日はあいにくの雨だったのですが、少しだけ一平さんに自社畑を見せていただくことに。

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畑の名は「沢」。中に小さな川が流れているそうです。植えられているのはカベルネ、メルロ、ベリーAなど。
南東向きの傾斜の強い斜面で、いかにも日当たりがよさそう。
遠くから眺める感じでしたが、立地環境は実感できます。

ここに意外な動物がいました。

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3匹の羊たちです。(写真は最近仲間に加わった子羊。)
彼らの役目は除草剤の代わりに雑草を食べまくること。
農家では昔から飼っている人が結構いるそうです。がんばれヒツジくん!

そういえばワイナリーにはこんなポスターも。「我が家」というのがイイ感じです。

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伝統のワイナリーを受け継ぐ、情熱ある若い造り手。
最近、新しい畑にカベルネ、メルロ、リースリング、カベルネ・フランなどを植えたそうです。
今後はベリーA、ブラック・クイーンも増やしていきたいと教えてくれました。
日本ワインの未来、ここでも見つけることができました。

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次は佐藤ぶどう酒へ!

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「金渓」という名前は、かつてこの地で金が採れたことに由来しているそうです。

お相手していただいたのは、社長の佐藤アサ子さん。
いかにもよきお母さんという感じの、明るく楽しい方です。

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2007年から息子さんが醸造をお父さんから引き継ぎ、ワイン造りを続けているそうです。
まずは簡単に醸造設備を拝見。

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その後、早速試飲をお願いしました。

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「金渓プレミアム・ルージュ2006」は柔らかいタンニンとしっかりした酸がうまく組み合わさったワイン。
果実の凝縮感も感じられ、美味しい。

「金渓スペシャルブレンド・ブラン2004」は赤湯産の甲州種を樽熟成50%、瓶熟成50%でブレンド。
ブレンドの効果はしっかりと現れているように思えます。
樽が前面に出すぎず良い感じで効果を上げている一方、
2004年ヴィンテージながらクリスピーな酸がしっかりと生きている。
造り手のセンスの良さが伝わってくるようなワインです。

「メルロー2007」は温度が低かったせいもあり、最初は香りがおとなしめでしたが、
時間がたつにつれ、徐々に開いてきました。
いかにもメルロらしい黒い果実、土の香りがたちのぼります。
味わいはやはり果実味と酸のバランスがとれていて、きれいなワイン。
プレミアムシリーズはよりはややスケールは小ぶりですが
とても1500円台とは思えないクオリティでした。

試飲しながらいろいろなお話をうかがいました。
こちらのワイナリーも自社畑にかなり力を入れているとのこと。
お邪魔した日の午前中も雨の中、摘芯をしてきたばかりとおっしゃっていました。

現在販売中のワインは先代が手がけられたワインが多いのですが、
これからは2人の息子さんがしっかりとワイナリーを支えていくことになるはず。
若い世代のワインはどんな味わいなのでしょうか。楽しみです。
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by inwine | 2009-07-12 11:38 | ワイナリー訪問
山形ワイナリーめぐり<1> 高畠ワイン

すっかり梅雨本番です。でも雨にも負けず山形へ行ってきました。

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まず最初に向かったのは高畠ワイン。
ワイナリー主催のテイスティング会に参加させていただきました。
会場は高畠駅近く、童話作家・浜田広介の記念館です。

40人ほどの参加者を前にまず奥山社長、さらにコメンテーターの橘勝士さん、
川邉久之さんの挨拶で会はスタート。

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製造グループ・マネージャーという肩書きの畑さんの解説を聞きながら、
6種類のワインをテイスティングします。

ちなみに畑さんによれば今年の気候は雪が少なめ、気温は平年より1度ほど高めで
降水量は少なめ、日照時間もやや多め。
葡萄の生育は、今のところとても順調だそうです。

今回のラインナップは下記の通り。

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シャルドネ樽発酵ナイトハーベスト 2006
シャルドネ樽発酵ナイトハーベスト 2007
シャルドネ樽発酵ナイトハーベスト 2008

高畠プレミアムブレンド 2006
高畠プレミアムブレンド 2007
高畠プレミアムブレンド 2008
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2006年のナイトハーベスト以外は未発売のアイテムです。

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深夜に(最近は明け方だそうですが)葡萄を収穫することで知られるプレミアムワイン、
ナイトハーベスト。

3種類のグラスを並べてみると、明らかに2007年だけ色調が薄めです。
樽の影響かと思い、あとで畑さんに聞いてみたところ
「自分では9月の夜温が上がりすぎたせいだと思っています」という答えでした。
(ただし樽熟期間が短いのも確かだとのこと。)

この07、アルコール度数はなんと14.2度。
ボディはかなりしっかりしていて、濃厚な果実香が印象的です。
補糖はまったくしていないとのことで、ちょっと驚きでした。

2006は樽の風味が最もしっかりと感じられました。その奥にやはり厚みのある果実とナッティなフレーバー。
新樽はほとんど使っていないそうですが、オーク香の好きな人にはたまらないはず。
実際、参加者の中にもこのワインをお気に入りに挙げる方が何人もいらっしゃいました。

私自身が一番好みに感じたのは2008。
暑く、雨の少なかった気候を反映してか、熟した白桃のようなこってりと甘い香りが実に魅力的。
そこに一本筋の通った骨格のある酸がバランスよく共存しています。
現在はまだ熟成過程。これはスケールの大きいワインになりそうです。
今からリリースがとても楽しみになりました。

それにしても、やはりどのヴィンテージもさすがのクオリティです。
「夜の収穫」という話題性も楽しい。
これからもずっと日本を代表するシャルドネのひとつであり続けるはずです。

夜間の収穫作業のメリットとしては収穫時に葡萄の温度が下がっている点や
糖度が上がっている点などがよく言われます。
さらにカリフォルニアで長くワイン造りに携わっていた川邉さんからは、
意外な効果についてもお話がありました。

ポイントは夜の「暗さ」。収穫スタッフがムダ話をせずに作業に集中するため、
昼よりも効率が上がると言われているのだそうです。
なんだか笑い話のようですが、カリフォルニアのワイナリーでは
そうした効果を狙って、収穫以外の作業も夜間に行うことがあるとのこと。

プレミアムブレンドの使用品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、プティ・ヴェルド。
比率は年によって違いますが、いずれの年もプティ・ヴェルドが30%前後と、
一般的なボルドーのワインよりもかなり多く使われているのが特徴です。

さらにこのワインが個性的なのは「混醸」である点。
つまり各品種を別々に仕込んでブレンドするのではなく、異なる品種を混ぜて醸造しているわけです。
理由はきわめて実際的なことだそう。けれど結果的に後でブレンドするよりも
各品種が互いの足りない分を補い合うような効果が生まれているというお話でした。

2008年はまだMLFが終わっていない段階での試飲でした。
そのためまだ酸味や渋みが明らかに強め。ただ果実の完熟感やボリュームの強さははっきりと感じられます。
2007年はタンニンが印象的なボディのしっかりしたワイン。

個人的に最も感銘を受けたのは2006年でした。
エッジにややオレンジを帯び始めていて、熟成とまではいきませんが
こなれた風味が生まれつつあり、エレガントでバランスのよい味わいです。
こちらもリリースが楽しみ。

テイスティング終了後は、場所を移して昼食をいただきました。
私の席の前は奥山社長。ここではざっくばらんなトークが聞けて楽しかったです。

その後はシャルドネの畑へ。

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ナイトハーベストに使われる葡萄の畑は何ヶ所かあり、いずれも棚栽培です。
土壌のベースは微細な孔が無数に空く高畠石。

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この石に含まれるゼオライトという物質は保水性と透水性を兼ね備え、
さらにイオン交換を活発に行うことで、優れた土質を作り出しているそうです。

山形のワインは全般的にしっかりした酸が特徴的。
その中でも高畠石のミネラル分は、酸の味わいに独特の個性をもたらしていると畑さんは言います。

ワイナリーに戻って、東京でお世話になった営業の方々にご挨拶。
さらに3年前に植えたというワイナリー前のピノ・ノワールの畑も見せてもらいました。
畑さんが最も好きだという葡萄です。今年、初めて収穫できるかもとのことでした。

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地面の上には高畠石をはじめ、さまざまな石がゴロゴロと。

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これらの石が風化することで、土壌をゆっくりと形成していくわけです。

その後、畑さんに別の畑も案内してもらいました。
訪ねていくと、ちょうど農家の方が作業中。
ご挨拶をして畑の中を見せていただきました。

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立派な幹に、太い葉脈の見事な葉。下草もいい感じで生い茂っています。
土質はさきほどのシャルドネ畑とは少し異なり、やや粘土質です。

お隣の畑で作業していた方から、デラウェアを分けていただきながら
冬場の雪の苦労や獣害についてひと談義。
クマもわりと普通に出没するそうです。コワ…。

赤湯の宿まで車で送っていただく間も、栽培・醸造について
畑さんにいろいろなお話をうかがうことができました。
熱心な研究者肌といった印象の畑さん。
こちらの質問にひとつひとつ丁寧に答えていただき、感激でした。

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本当にお世話になりました。ありがとうございます!
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by inwine | 2009-07-11 11:39 | ワイナリー訪問