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九州の旅<6> 五ヶ瀬ワイナリー

九州の旅、最後に訪ねたのは五ヶ瀬ワイナリー。
延岡からバスで一時間半、まず町役場前の小さな停留所に到着です。

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ここで地元のタクシーを呼んで乗車。ワイナリーまでは曲がりくねった細い山道が続きます。
これでは大型観光バスが入るのは難しそう。
運転手さんによれば、現在は急いで道路を拡張中だそうです。
実際、工事の現場もたくさん目にしました。

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これから観光の名所としても、さらに発展していくことでしょう。

揺られること約10分。到着したのはズバリ“山頂”でした。
空と雄大な山々が視界いっぱいに広がります。

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朝は雨模様でしたが、到着した昼ごろから快晴になりました。
運転手さんによれば、昨日は土砂降りだったそうです。
なんだかラッキー過ぎて怖いくらい。頼むよ、飛行機も。ホントに大丈夫だろうね。

ワイナリーはこんなに可愛らしい建物。

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入ると、すぐに試飲・販売コーナーがあります。

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基本的に自分で注いで、全アイテムを試飲できるシステム。
ただしフラッグシップの「シャルドネ樽」は100円の有料試飲です。

早速、試飲をスタートしました。

シャルドネは2005年から2007年の3ヴィンテージ。

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2005年は、鼻を近づけるとしっかりした品種香。ボディの確かさを予感させます。
味わいは爽やかな果実味がまず感じられ、後口に独特の苦味が。

九州のシャルドネの多くはパイナップルなどと評される、強い果実味が特徴的。
でも五ヶ瀬ワイナリーのワインは、それとはやや趣を異にするようです。
果実感よりも品種の個性をはっきり感じるというか。
果実の風味も感じますが、南国風フルーツというよりは柑橘系のイメージです。
そして腰の太い酸がなんとも魅力的でした。

2006年は05年よりもやや穏やかな印象。
05年を一回り小さくしたイメージでした。
ただ、今ひとつ状態が良くなかった気もするので
あまり当てにならないかもしれません。

2007年も、やはり第一印象は品種香。
でもこちらには南国風果実のフレーバーもあります。
やや硫黄的な香りも感じました。還元的だったのかな。

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赤は全般的に樽のニュアンスを強く感じます。
チャーミングな果実味もありますが、印象的だったのはしっかりとした酸。

キャンベルアーリーのロゼは、葡萄の美味しさが
ストレートに引き出されている美味しいワイン。
やはり酸が十分にあるため、だれることなくすっきりと飲めます。

こりゃウマイと思ったのがナイアガラ。
皮・種もしっかり感じ、骨格もある一方、
すっきりとした甘さでひたすら心地よく飲めます。
ポップでキャッチーなメロディーながら
よく聞くとリズムセクションが強力な曲という感じです。

ひと通り試飲を終え、有料の「シャルドネ樽」へ。
ここでスタッフの藤本さんにお話をうかがいました。

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初ビンテージは2005年。
町ぐるみのプロジェクトとして、まず葡萄栽培がスタートしました。

植えられたのは主に町の特産品である、茶畑のあった場所でした。
確かに周囲にはお茶の畑、ホントに多いです。

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樹齢はほとんどが8年ほど。
現在もワイナリーのワインはすべて町産の葡萄のみで造られています。
銘柄は白ワイン中心で、赤は今のところ1種類のみ。
品種はセイベル13053、メルロ、プティ・ヴェルドです。
以前は少しだけツヴァイゲルトレーベもあったそうですが、
今はやめてしまったとのことでした。

ワイナリーの周辺地域は標高660メートルの高地。、
平均気温はなんと13℃で、宮城県と同じくらいだそうです。
冬には雪も結構降り、夏の夜温もかなり下がるとのこと。

そのため生育のカレンダーも全体的に遅めです。
収穫はデラウェアでも9月半ばから、
メルロなどは10月末から11月になることも。
ほかの九州のワイナリーが、本州に比べて
だいぶ早く感じたのとは正反対でした。

この寒さこそが、赤・白ともに感じた厚みのある酸の秘密のようです。
藤本さんによれば、どのアイテムでも補酸は一切ナシ。
一方で糖度は、シャルドネで20度以上にまであがるとのことでした。

なんだか理想的な感じもしますが、問題はやはり台風。
収穫時期が遅いということは、当然、直撃のリスクが大きくなることを意味します。
そのため晩熟の葡萄の栽培は厳しい。

あまり農家さんに無理もいえない状況のため、
醸造側としては、いろいろなジレンマもあるようです。

今後はシャルドネを中心に、少し方向性の違う展開も考えているそう。
単一畑やスパークリングなど、新しいワインの誕生に立ち会えるかもしれません。
またゆくゆくはメルロ単一のワインも出したいとのこと。

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ちなみに「シャルドネ樽」は、発酵・熟成ともに樽を使用。
新樽率は低く、穏やかなオークの風味が
素性のよいシャルドネをいい感じで彩っています。おいしい。

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試飲を終えた後は、ワイナリー併設のレストラン「Maison de Vin」で昼食。
太陽光を取り入れた明るい店内からは、五ヶ瀬の絶景が存分に眺められます。

カフェ風の広々とした空間で、五ヶ瀬産の特産物と
地元産ワインのマリアージュをじっくり楽しむことができました。

その後、徒歩で近くの葡萄畑をのぞきに行ってみることに。
藤本さんにおおまかな場所を聞き、やや怪しい足取りで向かいました。

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コレはブラック・オリンピアというラブルスカ系の交配品種。
ワイナリーの出発点ともなった葡萄で、現在も甘口の白ワインが造られています。

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品種の違いはありますが九州の他のワイナリーと比べると、
やはり生育状況の違いが見てとれます。

ワイナリーに戻り、ガラス越しに醸造設備をぶらぶらと見学。
いまはひっそりと静まりかえっています。

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預かってもらっていた荷物を受け取り、タクシーを呼びました。

向かうのは行きと同じバス停ですが、今度の目的地は熊本空港。
いよいよ九州ともお別れです。アディオス! また来るぜ!
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by inwine | 2009-06-07 10:37 | ワイナリー訪問