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シャトー・メルシャン 『甲州小樽仕込み 2006』

冷蔵庫にしばらく入れていたため、かなり低い温度で飲み始めました。
よそよそしいと感じるほどの硬さと、はっきり木をイメージする樽の香り。
向かい合っても、何も話してくれない人のようです。

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けれど時間が経ち、温度が上がるにつれて
柑橘の爽やかな香りが立ち上ってきました。

味わいも、柔らかく厚みのある酸と広がりを感じさせる果実味、
そして樽の風味という3つの要素が、絶妙なバランスに。

どれも突出して主張しすぎることはありませんが、
決しておとなしいわけではありません。

ひとつひとつの要素はしっかりとした強さがあるのに
円のような均衡が保たれていて、引っ掛かりを感じない。
ワインとしては理想的なフォルムです。

少しツンとすましたような、上品さを感じさせてくれる甲州でした。
『いいとこの子』って感じでしょうか。
ワイルドな甲州もいいけれど、こんなのももちろん最高に魅力的。

最初のそっけなさは見事に消えて、食事との相性もバッチリ。

こんなのや

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こんなのとも。

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いろんな味を受け止めてくれる、懐の深さを持ったワインに変貌しました。
さすがは良家の坊ちゃん(お嬢さん?)。大物です。
やっぱり時間をかけて楽しむのもワインの醍醐味ですね。
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by inwine | 2009-11-21 12:18 | 日本ワインを飲む
蒼龍葡萄酒 『Citrus Scent甲州辛口2009 Nouveau』

蒼龍のシトラスセント新酒を。

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VL3酵母やノン・ボルドーなど、メルシャンの『きいろ香』的アプローチの文脈で
語られることが多いけれど、個人的にはこのワインの少しゴツゴツした甲州らしさに惹かれます。

柑橘系の香りはもちろん魅力的。でもどの年のワインも、奥には必ず「生」の甲州がいる。
「洗練」という視点で考えると、もしかしたら否定的な意見もありえるのかもしれません。
でもズバリ言ってワタシは大好きです。

竹中缶詰のはたはたオイル漬けを一緒に。
おいしい日本の晩酌でした。
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by inwine | 2009-11-19 11:41 | 日本ワインを飲む
マンズワイン 『ソラリス 信濃リースリング2007』

白い花、アールグレイの華やかな香り。

味わいはコンポートのような甘みとともに、日本のみかんを思わせる爽やかな果実味と酸。
やや甘口ですが酸のボリュームはたっぷり。絶妙のバランスを保っています。
温度が上がっていくと、甘さはさらに強まり
ちょうどリンゴのミツの部分をかじっているような濃密なイメージに。


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さすがはソラリス。優雅でスケールの大きなワインでした。
極甘口の、舌で転がして楽しむようなデザートワインではないので
食事のあと『お腹はいっぱいだけど、もう少し飲みたい』なんてときには最適かも。
ウチでは2人で、すぐに1本空いてしまいました。
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by inwine | 2009-11-18 11:45 | 日本ワインを飲む
シャトー・ジュン 『セミヨン 2008』

勝沼のランドマーク・ぶどうの丘のすぐ近くにあるワイナリー
シャトー・ジュンへ行ってきました。

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こちらの親会社はアパレルメーカーの『JUN』。
本体は知名度も高く、規模も大きなグループ企業ですが
ワイナリーは、ほぼご夫婦2人で運営。
一般の酒販店などには、限定的にしか出荷していません。

親会社の取引先である、そごう、西武、東急などの大手デパートでは
何アイテムかを入手することができるようです。

エチケットのデザインは銘柄ごとにまったく異なり
かなり力を入れていることがうかがえます。

建物はこじんまりとしていて、設備も効率よさそうな造り。

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ワイナリーの歴史などについて、奥さまの仁林昌代さんに話をうかがいました。
創業は1979年。もう30年もの歴史があることになります。
実は金井醸造場と古くからお付き合いがあるそうで、
以前は現当主、金井一郎さんのお父さんが醸造の指導をしていたとか。

醸造担当は、ご主人の仁林欣也さん。
最初はご不在でしたが、奥さまにお話をうかがっているうちに戻られ
ワインについていろいろと説明をきくことができました。

甲州、シャルドネなどをはじめ数種類を試飲。

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最も感銘を受けたのは『セミヨン 2008』でした。

仁林さんご自身も特に力を入れている葡萄とのことで、
試飲の際、奥さまが「これはうちの一押しなんですよ」と
勧めていただいたのが印象的でした。

2008は最新ヴィンテージですが
毎年、さまざまな試行錯誤を重ねていらっしゃるとのこと。
確かにワインの味わいも、ヴィンテージによってかなり異なっています。

実は買い付けに訪れたソムリエや、醸造アドバイザーの方が
仁林さんの自信作とは違うモノを選ぶことも、しばしばあるそう。

これはひとつひとつのワインが、それぞれ個性は異なりながらも
皆しっかりとしたクオリティを持っている証拠といえそうです。

他にもカベルネ・ソーヴィニヨン、甲斐ノワール、メルロ、アジロンなど
多くの品種を手がけていらっしゃいますが、
「次にやってみたい葡萄は?」とお聞きしたところ
帰ってきた答えは「ソーヴィニヨン・ブラン」。もう準備は整っているそうです。

現在もソーヴィニヨン・ブランのワインを造っているワイナリーは
日本各地にありますが、仁林さんの思い描いているワインは
ニューワールドのトロピカル系ではなく、フランス的なタイプとのこと。
それをお聞きして、ピンときました。
「ボルドーですね?」
「そうなんです。」とニッコリ。

セミヨンとソーヴィニヨン・ブランのブレンドで
グラーヴの白ワインのスタイルができたら、というのが目標だそうです。
「では樽に入れたりすることも?」
「ええ。考えてます。」

メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど、赤のメリタージュはしばしば聞きますが
白のボルドースタイルというのは、他ではあまり聞いたことがありません。
ユニークかつ、ワクワクするような挑戦です。
セミヨンの完成度を考えても、実現する日は近いかもしれません。
今からとても楽しみになってきました。

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ご夫婦お二人ともとても気さくな方で、ざっくばらんに
いろいろな話を聞かせていただくことができました。
ありがとうございます!

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『セミヨン 2008』


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セミヨンらしい華やかな香り。砂糖をまぶした焼き菓子のよう。
そこにハーブの爽やかな芳香が加わります。

味わいは丸いレモンの酸味とミネラル、日本の水あめのような伸びのある甘み。
中盤のボリュームが豊かで、しっかりとした食事に合わせたくなります。
後口のほのかな苦味も心地いい。

一緒に食べたのは「銚子産蒸しサバのトマトマリネ」。

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千葉の「留蔵」というメーカーの惣菜です。
東急東横店に出店してたので買ってみたのですが
予想以上にウマかったです。
サバの生臭さがないのは、やっぱり蒸してあるからなんでしょうか。

そしてメインは金目鯛のアクアパッツア。

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いよいよ金目も旬に入りかけてきました。
脂の乗り始めた肉厚の身を水と白ワインだけで蒸し焼きに。
美味しい。幸せです。
ちなみに残ったスープで作ったリゾットは、本体以上に幸せの味でした。

肝心のワインとの相性もバッチリ。
サバの濃厚な脂と柑橘系の酸味、肉厚のボディ、ミネラル感がしっかりとマッチします。
ちなみに少しだけ食べた生ハムとも良く合いました。
どちらもワインの内に秘めた力強さを引き出すようなマリアージュです。

アクアパッツアも金目の旨みと絶妙の相性。
さらに上に散らしたタイムとディルの香りが、
ワインのハーブ香とうまく共鳴します。

本当にバランスのとれたなめらかなワインで、食中酒として最高。
上品で、信頼感のある大人のセミヨンです。
2本買っておいて良かった。次は何と合わせようかな。
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by inwine | 2009-11-17 13:39 | 日本ワインを飲む
四恩醸造 『窓辺 2008』

開けたてはやや還元的ですが、グラスを少し回せばすぐに消えて
良い赤ワインでしか体験できない、うっとりするような香りが。

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余計な雑味に陥ることなく、旨みがきれいに引き出されています。
しかし一方で「生」の迫力もしっかりと残っていて、
決しておとなしいだけのワインではありません。

なめらかな官能とゴツゴツとした感触。
美しい旋律に荒々しいギターのリフがかぶさる
ポップチューンのようです。

おいしい。
自然派とかなんとかのカテゴライズとは関係なく
「今」を強く感じさせてくれる。そんな1本です。
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by inwine | 2009-11-16 19:04 | 日本ワインを飲む
ヴィラデストワイナリー 『ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ2006』

ヴィラデストワイナリーの『ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ2006』を飲みました。

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心地よいオークとナッツのこうばしさとともに
白い花や柑橘系の爽やかな香り。
味わいは角のないしっかりとした酸と、豊かなミネラルが印象的です。

中盤から余韻に向けてのボリューム感がすばらしい。
まさにシャルドネの王道的なイメージのワインです。

今回は牡蠣とベーコンのオーブン焼きと一緒に。

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広島産の大ぶりな牡蠣はかなりミルキーな味わい。
実は生で食べる場合は、小ぶりなもののほうが好きなのですが、
こういう料理のときは濃厚なタイプが合います。

「海のミルク」とシャルドネの相性は、教科書通りピッタリでした。
オーブン焼きにしていることで、樽香ともうまくマッチ。

いよいよ牡蠣の季節到来です。これから春までたくさん食べないと!
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by inwine | 2009-11-15 17:00 | 日本ワインを飲む
山梨フラグメンツ

甲斐ワイナリーで『新酒と音楽を楽しむスローパーティー』。

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南米の民族楽器『アルパ』だそうです。ハープみたい。

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11月8日。秋の畑。

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一房だけ残っていたぶどうは、甘くて酸っぱかった。

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麻屋葡萄酒・雨宮一樹氏。今年の麻屋の甲州はスゴい・面白い。楽しみです。

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勝沼の名物パン屋さん『パンテーブル』。
天然酵母のパンはモチモチの食感で、たまらない美味しさです。

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勝沼醸造で貴重な『牧丘 小公子 樽貯蔵2007』を試飲させてもらいました。

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このディスクの厚みと色合いの美しさ。まるでブルゴーニュです。

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衝撃のワインでした。

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フジッコワイナリーから見た夕焼け。

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by inwine | 2009-11-14 10:43 | ワイナリー訪問
タケダワイナリー 『サン・スフル白 2009』

デラウェアならではの親しみやすい、ほっとするような香り。
味わいも肉厚な甘みが口の中に広がる一方で
はしゃぎすぎを優しく制するような酸があります。

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いくら飲み続けても、単調さを感じることはありません。
もうひと口、もうひと口とグラスが自然に進んでしまいます。

チャーミングで楽しいワインですが「開放的な爽快感」というよりは
「居心地の良さ」を感じさせてくれるワインです。

なんだか子供の頃、風邪で熱を出した時によく飲ませてもらった
すりおろしリンゴを思い出しました。
まあ、これは子供は飲んじゃいけないんですが。
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by inwine | 2009-11-13 11:02 | 日本ワインを飲む
中野坂上「Standing BAR PETIT Konishi」でプチ送別会

ご結婚されて、東京を離れる方のプチ送別会を開こうと
中野坂上の「Standing BAR PETIT Konishi」へ行ってきました。

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参加者は前日の「山梨ヌーボー祭り」で最後まで飲んでいた3人。
改めて飲みなおしという感じでもあります。

名前の通り、立ち飲みのお店ながら、
居酒屋的メニューから手のかかったフレンチ惣菜まで
料理もかなり本格的。

何より嬉しいのは本体が酒屋さんなので、
買ったワインを店内に持ち込めること。
持ち込み料は少しだけかかりますが
「あれ、こんなの出てたんだ」なんてワインを
すぐに皆で飲めてしまいます。

ちょっと高価だったり、レアな銘柄は
ウチに置いておくと飲むタイミングを失ってしまいがち。
買ったとたんに飲んでしまうというやり方も、
場合によってはかなりアリな気がします。

で、この日飲んだのはこんなワイン。

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高畠ワイン 『プレミアムブレンド 2006』です。

以前、このお店で高畠の醸造担当・畑さんのセミナーがありました。
そのとき『メリタージュ(仮)』という名で出ていたワイン。(たぶん)

そのあと7月に山形を訪れたときにも
テイスティングさせてもらったのですが、いよいよ正式に発売です。

このワインの特徴は「混醸」。つまり異なる品種を一緒に醸造していること。
別々に仕込んでブレンドする通常の方法より、かなり大胆なやり方といえます。

味わいはフレッシュな果実感が魅力的で、バランスのとれた美味しさでした。
高畠らしいエレガントさの一方、土っぽさやボディの強さも感じられます。

本格的なボルドー品種ブレンドは
日本ワインの浸透という面でも、大きな意味を持つジャンル。
これからもぜひ力を入れていってもらいたいワインです。

ほかに飲んだのは『栗沢ブラン2008』。

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これは参加者・ベニパパさんが店に預けてた分をいただきました。ゴチです!

さらにエーデルワインの『ハヤチネゼーレ・ツヴァイゲルトレーベ樽熟成』も。

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この日、お店ではこんなグラスワインも開いてました。ビックリです。

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ビールも豊富だし、足を運ぶたびに発見がある楽しいお店です。
『会社帰りに軽く一杯』でも『サクッと二軒目に』でも、いろんな使い方ができそう。

そのうちまた来ようと胸に決めました。

そしておみやげは、ここに来たら必ずコレです。

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『缶詰界のロールスロイス』の異名をとる竹中缶詰。
缶詰といって、あなどるなかれ。
いろいろ種類があるんですが、どれもマジでウマイです。

定番のオイルサーディンは他の缶詰とは次元が違う完成度。
はたはた、ししゃもなんかは完全に立派な一品料理です。
甲州のつまみで食べたりなんかすると感涙モノですよ。

再会を約束してプチ送別会は終了。この日も楽しい一夜でした。
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by inwine | 2009-11-12 19:16 | 日本ワインを飲める店
旭洋酒 『それいゆピノ・ノワール 2007』

ひさしぶりに旭洋酒にもうかがいました。

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こちらのお目当ては、やはりリリースしたばかりの
『それいゆピノ・ノワール 2007』と『千野甲州 2008』。

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こちらでも奥さまの順子さんが応対してくれました。
今年の葡萄の出来から始まり、一文字短梢栽培のメリットについて改めてお聞きしたり
勝沼のイベントについてなど、いろいろな話題にお付き合いいただき
楽しく有意義な時間を過ごすことができました。

特に勉強になったのが甲州の苗木の種類の差異、
そしてワインの味わいへの影響の話。
素人の質問にもきちんと答えていただき、いつもながら感謝です。

ワタシはこちらのピノ・ノワールが以前からとても好きなのですが
2005年ヴィンテージをはじめて飲んだとき、かなり堅牢なイメージを受けました。
でも最近飲んだとき、果実味がとても開いていて印象深かったのを覚えています。

そんな話をしたところ、
ピノの造りに関するさまざまな模索についても、うかがうことができました。
2005年に関しては順子さんご自身も、経年による変化は意外だったそう。
2007年のワインもはじめのうちはかなり堅かったそうです。
「でも奥のほうには果実味がある。待ってみよう。」と、今年の春の発売を延期。
秋になって試してみたところ、見事に柔らかく変化していたそうです。

「世界中のワインのほとんどはリリース直後に飲まれてしまう」とよく言われますが
ときにはしばらく我慢したほうが、いいことが待っているのかもしれません。


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『それいゆピノ・ノワール 2007』

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赤い果実、バラ、かすかな草の香り、鉄。さまざまな香りが複雑に漂います。
大きめで香りを楽しみやすいブルゴーニュグラスで飲んでみたのですが、大正解でした。

ひと口飲むと、ほどよく熟した果実の甘みと穏やかながら伸びのある酸。
思わず「美味しい」という言葉が口をついて出ます。

けれど真価の片鱗を見せたのは
抜栓から一時間ほど経ち、ボトルが半分ほど空いたころ。
中盤の力強さがぐっと増して、粘度を感じさせる飴のような甘みが出てきました。
これはすごいです。

タンニン、酸もほどよくあるので骨格は引き締まっています。
そのうえにふくよかで官能的な肉付きが加わるというイメージ。
ピノ・ノワールの魅力全開です。

今回は塩のよくきいた鴨のコンフィと合わせたのですが、
まさにど真ん中ストライク。
ワインと料理の両方が引き立つ、
マリアージュの教科書のような組み合わせでした。


熟成させるとさらにすごいワインになりそうですが、
何年も我慢している自信はあまりありません。
うーむ。やっぱり偉そうなことはいえませんね。
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by inwine | 2009-11-11 12:02 | ワイナリー訪問