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九州の旅<おまけ> 九州で出会ったウマいものたち

別府「レストラン・リボン」のとり天丼。渋い雰囲気の老舗定食屋さんです。
衣はふわふわ&サクサク。肉も柔らかくウマかったです。

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南由布「ゆふいん時遊館」のゆふ牛・いちぼ肉のステーキ。旨みたっぷりでした。

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熊本「菅乃屋 銀座通り店」の馬肉のすきやきの肉。

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そして、シメに作ってもらった牛丼ならぬ『馬丼』。

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雨の中、静かに佇んでいた久住ワイナリー前の馬たちが頭をよぎります。
これを食べて「すきやきには絶対に牛肉より馬肉!」と確信しました。


熊本「えびすラーメン」のラーメン。
熊本ワイン・榊さんに連れていっていただいた、地元の人気店。
見た目よりもあっさりで、毎日でも食べられそう。ごちそうさまでした!

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宮崎「もも焼き嵐坊 上野町店」のもも焼き。
やはり榊さんに教えていただいたお店です。豪快な炎があがってます。

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「よく焼き」でお願いしたせいか見た目はかなり黒めですが、味は抜群。
かみ締めると、旨味エキスがじんわりと出てきます。こちらも本場ならではの味わい。
ビールとの相性はヘブン級でした。

ちなみに地元の人はかなり赤いレアで食べるのが一般的だそう。
軟弱な観光客の私は、しっかりと焼いてもらいました。


こちらは同じお店の「せせり南蛮」。
旨みの強いせせり肉(首の周りだそうです)が甘酢ソース&マヨネーズとベストマッチでした。

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宮崎「栄養軒」のラーメン。ここも榊さんオススメのお店。
やはりかなりの人気店らしく、午前中から賑わっていました。
宮崎のラーメンは、九州の中では比較的あっさり系が多いとのこと。
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確かに優しい味でおいしかった。スープもしっかり飲みきりました。
東京だとホープ軒とかに近い感じでしょうか。よくわかんないけど。


延岡「直ちゃん」のチキン南蛮定食。
チキン南蛮の元祖として有名な店ですが、偶然、泊まったホテルの真裏にあることを発見。
ラッキーでした。
味はかなり感動モノ。チキンカツみたいなのかなと思ったけど、次元が違いました。

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延岡のセブンイレブンで見つけたひでじビール2種。
神楽坂の「Naorai」で教えてもらった宮崎の地ビールです。かなり本格派。

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こちらもセブンイレブンで発見。
今回は行けなかった綾ワイナリーのベリーA(ハーフボトル)。
ホテルの部屋で飲みました。うまかったです。やるな、セブンイレブン。

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五ヶ瀬ワイナリー併設のレストラン「メゾン・ド・ヴァン」の
五ヶ瀬町産しいたけのグリル。

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そして五ヶ瀬町産山女の唐揚げ。

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いやー、やっぱり地のものは良いですなー。
椎茸は肉厚で食べ応えバッチリ。山女も白ワインにぴったりでした。


<おまけのおまけ>

都農ワイン・赤尾さんに「おみやげにどうぞ」といただいたズッキーニ。
帰宅した夜、早速食べてみました。オーブンでただ焼いて、塩をほんの少し。

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ウマーイ! 甘みが強烈で、本当にとうもろこしのような味がします。
目をつぶって食べたら、何の野菜か絶対に分からないはず。
えぐみや青臭さは一切ありません。今まで食べてたズッキーニは何だったんだ…。うーむ。
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by inwine | 2009-06-09 11:17 | ワイナリー訪問
九州の旅<6> 五ヶ瀬ワイナリー

九州の旅、最後に訪ねたのは五ヶ瀬ワイナリー。
延岡からバスで一時間半、まず町役場前の小さな停留所に到着です。

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ここで地元のタクシーを呼んで乗車。ワイナリーまでは曲がりくねった細い山道が続きます。
これでは大型観光バスが入るのは難しそう。
運転手さんによれば、現在は急いで道路を拡張中だそうです。
実際、工事の現場もたくさん目にしました。

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これから観光の名所としても、さらに発展していくことでしょう。

揺られること約10分。到着したのはズバリ“山頂”でした。
空と雄大な山々が視界いっぱいに広がります。

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朝は雨模様でしたが、到着した昼ごろから快晴になりました。
運転手さんによれば、昨日は土砂降りだったそうです。
なんだかラッキー過ぎて怖いくらい。頼むよ、飛行機も。ホントに大丈夫だろうね。

ワイナリーはこんなに可愛らしい建物。

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入ると、すぐに試飲・販売コーナーがあります。

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基本的に自分で注いで、全アイテムを試飲できるシステム。
ただしフラッグシップの「シャルドネ樽」は100円の有料試飲です。

早速、試飲をスタートしました。

シャルドネは2005年から2007年の3ヴィンテージ。

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2005年は、鼻を近づけるとしっかりした品種香。ボディの確かさを予感させます。
味わいは爽やかな果実味がまず感じられ、後口に独特の苦味が。

九州のシャルドネの多くはパイナップルなどと評される、強い果実味が特徴的。
でも五ヶ瀬ワイナリーのワインは、それとはやや趣を異にするようです。
果実感よりも品種の個性をはっきり感じるというか。
果実の風味も感じますが、南国風フルーツというよりは柑橘系のイメージです。
そして腰の太い酸がなんとも魅力的でした。

2006年は05年よりもやや穏やかな印象。
05年を一回り小さくしたイメージでした。
ただ、今ひとつ状態が良くなかった気もするので
あまり当てにならないかもしれません。

2007年も、やはり第一印象は品種香。
でもこちらには南国風果実のフレーバーもあります。
やや硫黄的な香りも感じました。還元的だったのかな。

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赤は全般的に樽のニュアンスを強く感じます。
チャーミングな果実味もありますが、印象的だったのはしっかりとした酸。

キャンベルアーリーのロゼは、葡萄の美味しさが
ストレートに引き出されている美味しいワイン。
やはり酸が十分にあるため、だれることなくすっきりと飲めます。

こりゃウマイと思ったのがナイアガラ。
皮・種もしっかり感じ、骨格もある一方、
すっきりとした甘さでひたすら心地よく飲めます。
ポップでキャッチーなメロディーながら
よく聞くとリズムセクションが強力な曲という感じです。

ひと通り試飲を終え、有料の「シャルドネ樽」へ。
ここでスタッフの藤本さんにお話をうかがいました。

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初ビンテージは2005年。
町ぐるみのプロジェクトとして、まず葡萄栽培がスタートしました。

植えられたのは主に町の特産品である、茶畑のあった場所でした。
確かに周囲にはお茶の畑、ホントに多いです。

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樹齢はほとんどが8年ほど。
現在もワイナリーのワインはすべて町産の葡萄のみで造られています。
銘柄は白ワイン中心で、赤は今のところ1種類のみ。
品種はセイベル13053、メルロ、プティ・ヴェルドです。
以前は少しだけツヴァイゲルトレーベもあったそうですが、
今はやめてしまったとのことでした。

ワイナリーの周辺地域は標高660メートルの高地。、
平均気温はなんと13℃で、宮城県と同じくらいだそうです。
冬には雪も結構降り、夏の夜温もかなり下がるとのこと。

そのため生育のカレンダーも全体的に遅めです。
収穫はデラウェアでも9月半ばから、
メルロなどは10月末から11月になることも。
ほかの九州のワイナリーが、本州に比べて
だいぶ早く感じたのとは正反対でした。

この寒さこそが、赤・白ともに感じた厚みのある酸の秘密のようです。
藤本さんによれば、どのアイテムでも補酸は一切ナシ。
一方で糖度は、シャルドネで20度以上にまであがるとのことでした。

なんだか理想的な感じもしますが、問題はやはり台風。
収穫時期が遅いということは、当然、直撃のリスクが大きくなることを意味します。
そのため晩熟の葡萄の栽培は厳しい。

あまり農家さんに無理もいえない状況のため、
醸造側としては、いろいろなジレンマもあるようです。

今後はシャルドネを中心に、少し方向性の違う展開も考えているそう。
単一畑やスパークリングなど、新しいワインの誕生に立ち会えるかもしれません。
またゆくゆくはメルロ単一のワインも出したいとのこと。

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ちなみに「シャルドネ樽」は、発酵・熟成ともに樽を使用。
新樽率は低く、穏やかなオークの風味が
素性のよいシャルドネをいい感じで彩っています。おいしい。

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試飲を終えた後は、ワイナリー併設のレストラン「Maison de Vin」で昼食。
太陽光を取り入れた明るい店内からは、五ヶ瀬の絶景が存分に眺められます。

カフェ風の広々とした空間で、五ヶ瀬産の特産物と
地元産ワインのマリアージュをじっくり楽しむことができました。

その後、徒歩で近くの葡萄畑をのぞきに行ってみることに。
藤本さんにおおまかな場所を聞き、やや怪しい足取りで向かいました。

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コレはブラック・オリンピアというラブルスカ系の交配品種。
ワイナリーの出発点ともなった葡萄で、現在も甘口の白ワインが造られています。

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品種の違いはありますが九州の他のワイナリーと比べると、
やはり生育状況の違いが見てとれます。

ワイナリーに戻り、ガラス越しに醸造設備をぶらぶらと見学。
いまはひっそりと静まりかえっています。

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預かってもらっていた荷物を受け取り、タクシーを呼びました。

向かうのは行きと同じバス停ですが、今度の目的地は熊本空港。
いよいよ九州ともお別れです。アディオス! また来るぜ!
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by inwine | 2009-06-07 10:37 | ワイナリー訪問
九州の旅<5> 都濃ワイン
まだまだ続く九州の旅。次は宮崎・都濃ワインを訪ねました。

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3月の日本橋・Marche de Vinshuでお会いした小畑さんにご連絡したところ、
あいにく訪問日には出張でいらっしゃらないとのこと。
「代わりに赤尾という者を訪ねてください」とのお言葉をいただきました。

この日も朝からシトシトと雨でした。
でもワイナリーに着き、しばらくするとすっかりいい天気に。
そしてちょうど帰る頃になって、また少し降り出しました。
まるでこちらの訪問に合わせて晴れてくれたようです。

実は前日の熊本ワインでも、
偶然がいくつも重なったようなラッキーな出来事がありました。
日ごろの行いが良いとやっぱり報われるんだな、としみじみ実感した次第です。
サンキュー神様! 帰りの飛行機も安全運転でよろしく頼むぜ。


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赤尾さんは34歳。
地元の農業高校出身で、18歳から葡萄作りにかかわってきたそうです。
現在は小畑さんの右腕として、栽培・醸造の両方に携わっています。

ごあいさつを交わし、すぐに醸造設備の見学へ。
清潔な室内には近代的な機器の数々がずらりと並びます。
中には日本でここにしかないという設備も。

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しかし何よりもガツーンとショックを受けたのは、赤尾さんのお話でした。

「ワイン造りはもちろん大事なことだけれど、
 それだけを追い求めるのは、なにか小さい気がする。」

赤尾さんが理想とするのは、自らが根付く地域の再生。
それは単純な町おこしや活性化ではなく、
本来、社会がそうであるべき機能的で健全な姿を
取り戻すことを意味しています。

人、風土、地元。
それらをすべて含んだものこそが、
本当のテロワールなのだと赤尾さんは言います。

目の前の利潤追求や、硬直した因習に縛られることなく
生産者、流通者、消費者のすべてが
胸を張って気持ちよく「当事者」となれるものづくり。

「醸造家は畑へ行ったほうが良いし、農家はワインを知ったほうが良い。
 自分は18から葡萄作りにかかわってきた強みがある。
 これからも農家の人たちと積極的にかかわりながら
 枠にとらわれないワイン造りをしていきたい。
 みんなのワイン、みんなで作るワインを目指したいんです。」

赤尾さんの高く、大きな志は当然のことながら
農業の姿勢そのものにも明確に現れています。

ワイナリーの建物を出てまず向かったのは
葡萄ではなく、くぬぎの木。赤尾さんが土を掘り起こします。

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表面を覆う土は落ちた葉が有機的に分解されてできたもの。
当然その下にあるのもより古い時期に、同じ過程を経てできた土です。

やがて現れたのは土中の浅い位置にある毛細根。栄養分を吸う根です。
この部分の土は香りがしっかり。なめてみると味も濃厚でした。
しかし、さらに少し掘ると根は太くなっていきます。
この部分の土はにおいがやや弱め。
つまり、有機質が少なく栄養分が少ないわけです。

これがまず講義の第一章。これを元に次はズッキーニの畑へ。
収穫間近というズッキーニを手に取り、ぽきりと二つに折ります。
するとねっとりとしたみずみずしい露が、びっくりするほど滴ります。
折った後に再び合わせると、ぴたりとくっついてしまうほど。
(ゆでて食べるとトウモロコシのような味がするそうです)

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「これを収穫しないで放っておくと、どうなると思います?」と赤尾さん。
「中がスカスカに?」
「そう。それで実が大きくなっていくんですよ。」

中の種が周囲の栄養分を吸い取ってしまい、
その結果、細胞が壊れて膨張してしまうんだそうです。
うーむ、なるほど。

これが第二章。
ここまでの予習を終えて、葡萄畑へ向かいました。

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赤尾さんが実践するのは、従来の栽培の常識とはまったく異なる手法です。

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ヨーロッパの銘醸地を例に、こんな風に説明してくれました。
「向こうの土地は、潮が満ちてきたときに
 畑の土を少し掘ると、 水が染み出してくるといいます。
 たとえ高い丘の上でもそう。
 ヨーロッパの葡萄畑にはそういう地勢的な条件がある。
 でもここの畑の土地にはそんな水の流れはありません。
 だから単純に水を与えない、というやり方ではダメなんです。」

実際に水をよく吸わせた土地とそうでない土地を
比較できる場所があったのですが、明らかに様子が違います。

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また葉が大きくなりすぎると、
肥料のやりすぎをまず考えるという話をよく聞きます。
しかし赤尾さんにとってはまったく逆。
それは栄養が足りない結果なのだといいます。
これはさきほどのズッキーニと同じ理屈。

栄養をきちんと得ることで、葡萄は健康に育つ。
だからこそ病気も少なくなり、農薬を使わずに育てることが可能になるそうです。

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水や肥料を与えず、厳しい環境を作るというのが葡萄作り、
という漠然としたイメージを持っていた私にとっては
まさに目からウロコの体験でした。

シャルドネ、ピノ・ノワール、シラー、テンプラニーリョ。
どの畑にもそれぞれの成功と問題点、新しい疑問と解けた答え、
試みと回帰があります。

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そのすべてと付き合うためには、ひとつの葡萄をじっくりと見つめ続ける
「定点観測」しかないと赤尾さんは言います。

特に印象的だったのは下草の話。
「雑草という名の植物はないんです」と、ひとつひとつの草の名前、
季節ごとの移り変わり、そしてこの畑の生態系で持っている役割を教えてくれました。

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あえて特定の草の種を蒔いたり、時にはしっかりと刈り込んだり。
「植物は話をしてくれない。だからじっと見つめて考えるしかありません。」
まさに終わりのない自然への挑戦です。


都濃ワインのたどってきた歴史、今ワイン造りの現場にあるさまざまな状況、
農家の人々との関係、醸造する側と栽培する側の意識の変化…。

どの言葉にも、なるほどと頷かされる説得力と深い洞察力に満ちています。
そして赤尾さんの言葉に力強さを与えているのは、
未来への課題とそれを実現するための活力。
つまり簡単にいえば(あまり好きな言葉ではありませんが)「夢」です。

各ワインのテイスティングにも付き合っていただき、
醸造の現場でもこれから試してみたいことなどをいろいとろとうかがいました。

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4月にリリースされたばかりの「シャルドネ エステート2008年」は
ボトリングからまだあまり間もないからか、やや閉じ気味。
香りもおとなしく、まだすべての実力を発揮してない気がします。
それでも柑橘のニュアンスがとても魅力的。
少しだけ寝かせれば、かなりイイ感じになりそう。

「シャルドネ アンフィルタード2008年」は芳ばしい樽の香りがイイ感じ。
骨格のしっかりしたシャルドネはその香りに負けていないどころか、
ふくよかな果実味と絶妙のバランスを保っています。
今飲んでもスゴく美味しいのですが、こちらも少し落ち着けば
とても芳醇なワインになるはずです。

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「マスカット・ベリーA エステート2008年」はトップに品種独特の香りがして
変な言い方ですが「ベリーAらしいベリーA」。
フィニッシュは軽めですが、とてもチャーミングなワイン。
ほんの少し冷やせば、鉄板焼きなどの肉・魚混ぜ混ぜのグリル系にバッチリのはず。

「キャンベル・アーリードライ 2008年」は楽しくワイワイと飲めるタイプですが、
ボディは想像以上にしっかり。
決してぼやけない味わいの、きりっとしたワインです。
都濃ワインでは、なるべくラブルスカ香を抑えるよう、苦心しているそうです。

「毎日毎日、畑へ行き、それぞれの葡萄の変化や違いを
 しっかりと見極める。
 そうしているからこそ、できるようなワインを造りたい。」

おそらく近い将来、その言葉が「なるほど」と納得できるワインが
世に出ることでしょう。

「小畑は機関車のように、すごい勢いでどんどん進んでいく。
 だから時には衝突も起きる。
 それをフォローして、具現化していくのが自分の役目です。
 2人しかいないから、ずるずる流れていかないよう
 あえて反対のことばかり言うこともありますよ。」

「醸造に関していえば、自分はまだとても小畑にはかなわない。
 自分は『片手にワイン、片手には土』というのが信条です。」

今後の東京などでの展開についてうかがったところ、
まず地元でしっかり消費を増やし、足元をしっかりと固めてからにしたい、
というのが赤尾さんの本音のようです。
数万本のワインも、本当はすべて対面で販売したいくらいだとのこと。
その気持ち、想像できるような気がします。

3月にうかがった小畑さんのお話にも強烈なインパクトがありましたが、
赤尾さんとの出会いはある意味、それ以上の衝撃でした。

「こないだの都濃ワインは小畑バージョン、今日は赤尾バージョンですね。」と
ご本人は笑っていましたが、ホントにどちらのバージョンも凄いです。

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都濃ワイナリーのクリーンなワイン、洒落たエチケットの奥には
桁外れの情熱が潜んでいました。
その素顔はワイナリーを訪ねてこそ、知ることができたといえます。
旅行を通じて、またでっかい収穫を得ました。

お忙しいところ、長い時間を割いていただいたことに
改めてお礼をいい、ワイナリーを後に。

赤尾さん、ありがとうございます!とても濃密な時をすごすことができました。
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by inwine | 2009-06-06 07:49 | ワイナリー訪問
九州の旅<4> 熊本ワイン
今回の訪問は熊本ワイン。
出迎えていただいたのは営業の榊さんです。
直前のお願いにもかかわらず、快く案内を引き受けていただきました。感謝感謝です!

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契約農家さんの畑はあちこちの土地に点在しており、いずれも車で30分ほど。
道も入り組んでいて簡単に行ける場所ではないのですが、なんと案内していただけるとのこと!
お忙しい中、申し訳ない気もしたのですが、こんな機会はなかなかありません。
ありがたくお言葉に甘えることにしました。

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雄大な山々を眺めながらの道中、いろいろな話をお聞きしました。
熊本ワインのブランド名にもなっている菊鹿町は標高300メートルほど。
葡萄の栽培農家はもともと多くはなく、
契約畑の一部はもともとタバコを栽培していた場所だったそうです。
その名残、というか農家さんのポリシーとして、
葡萄畑になった今も下草は綺麗に刈り込んでいるとのこと。
理由は虫がつくからだそうです。
土地それぞれの流儀は、葡萄にもいろいろな影響を与えているのかもしれません。

契約畑の品種は大部分がシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨン。
すべて垣根で仕立てています。

案内していただいた畑は本当に分かりづらい場所にあったのですが、
その土地を選んだ理由は「サルビアの花が綺麗に咲いていたから」。
榊さんにもそれ以上の詳しいいきさつは分からないそうですが、
なんともロマンティックな物語です。

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ちなみにコレはそのサルビアの花。
途中立ち寄った直売所で売っていました。ここで扱っていたのは、野菜、果物、花、

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メダカ(!)…。

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そして熊本ワイン!

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農家の方の写真入りです。

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いよいよ去年の「菊鹿 ナイトハーベスト」で使われた葡萄の畑に到着。

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ちょうど農家さんが作業中でした。

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葡萄はすでにここまで成長しています。

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この畑はまさに健康優良児。葉も大きく、みっしりと茂るままの状態です。
いかにもしっかりと実がつきそうな、活力を感じる畑でした。

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シャルドネとカベルネが混在しているのはご愛嬌。



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こちらは別の場所の畑。土質、仕立て方、葉の大きさ、成長具合、手の入れ方など
すべてさっきの畑とは違い、個性の違いがうかがえます。

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なんと葡萄の脇では野菜も栽培。

熊本ワインでは発酵前の段階では、SO2は一切使わないとのこと。
もちろん出来上がるワインはクリーンそのものです。
農家の方がいかに丁寧な選果をしてくれているかという証明だと、
誇らしげに榊さんは教えてくれました。

2時間ほどかけて数か所の畑を回らせていただきました。

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この写真は中世の城郭、菊池城。この真ん前にも畑がありました。

途中、榊さんオススメの熊本ラーメンのお店で昼食をとり(やっぱり本場はウマいっす)、
ワイナリーへ戻りました。
今度は醸造設備を見せていただくことに。

発酵・貯蔵タンク、バルーン式のプレス機、除梗・破砕機。

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樽はフレンチオークで、マスカットベリーAなどには
ミディアムよりややローストの強いものも使っているそうです。

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これは瓶詰めされて眠っている2008年のナイトハーベスト。
今年の各コンクールでも、間違いなく大きな話題を呼ぶはずです。

途中で醸造担当の幸山さんにも対面。
ちょっと俳優の遠藤憲一さん風のイイ男です。

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やはりお忙しい方ですが、今日はたまたまお時間があるということで
幸運にもゆっくりお話をうかがうことができました。

品種の個性をしっかり出すワイン造りをしたいという幸山さん。
あるシャルドネのワインを試飲させていただいたのですが
樽のニュアンス、果実の香り、そしてシャルドネ本来の品種香のバランスが絶妙。
味わいも中盤から後半のボリュームが分厚くて驚くほどです。アフターも長い。
掛け値なしに、すばらしいワインでした。

「まだまだ勉強することは多いけれど、シャルドネに関しては
 いろいろ実験してみる余裕が出てきました。」と話す幸山さん。
「賞をとることで、ワイナリーの認知度が上がっていけば」と今後の意欲も語ってくれました。
その言葉は、これからますます現実になっていくに違いありません。

「KISS KIKKA シャルドネ」は残糖を感じる、やや甘口といっていいワイン。
キンキンに冷やして、すいすい飲みたいタイプです。
「熊本の糖度の高いトマトを塩も何もつけずにかぶりついたら、
 コレと合うと思うんですよ」と榊さん。一気にお腹が減りました。

「KISS KIKKA カベルネ」はさきほどの幸山さんの言葉通り、
トップにしっかりした品種香を感じます。
色はやや薄めで、ミディアムボディ。とてもチャーミングなワインでした。

「熊本キャンベル・アーリー」はイメージよりずっと色調は淡く、
ラブルスカ種特有の香りはあまり感じません。
エレガントさとワイルドさがほどよく均衡がとれた感じ。
とても人気のあるアイテムだそうです。

「MBA無添加やわらか中口」は酸化防止剤無添加ですが、熱処理もヘビーな濾過もしていないそう。
幸山さんは「ドキドキです」とおっしゃっていましたが、柔らかくやさしいワインでした。

「熊本デラウエア」は幸山さんが「面白くて、好きな品種です」というだけあって
骨格のしっかりしたワイン。
やはり品種の魅力がストレートに伝わってくる味わいでした。

今回、榊さんには本当にお世話になりました。
良い機会とばかりに、いろいろな疑問を投げかけてしまいましたが
こちらの拙い質問にも「隠すことは何もないんで、何でも聞いてください」と
快くお話を聞かせていただきました。ありがとうございます。
思い切って九州に来て良かったとしみじみ思いました。


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熊本ワイン。酒屋さんで目にすることはまだあまり多くありませんが、その実力は本物。
もし見かけたら、ぜひぜひ試してみてください!
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by inwine | 2009-06-05 09:48
九州の旅<3> 久住ワイナリー
これまで天気に恵まれてきましたが、この日は朝からあいにくの雨でした。
まだ梅雨入り前とはいえ、もう6月。ある程度は仕方ありません。
次の目的地、久住ワイナリーへ向かいます。

山岳の多い九州では、はっきりいって電車の便はあまりよくありません。
ガイドブックやHPに書いてある「最寄の駅」まで行ってからタクシー、
なんて風に行こうとすると、お金も時間もとんでもなくかかってしまいます。

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だからメインの交通手段はバス。
これまでの行程でもずっとバスを重宝してきました。
高い山の中腹にある久住ワイナリーも、
当然電車より車のほうがずっと便利な場所にあります。

ガイドブックによれば「豊後竹田駅からバス、もしくはタクシー」とありますが
今回使ってみたのはJRの「あそ・ゆふ高原1号」。
発着駅までのJRの切符を買っていないと乗れないという変則的なバスで、
各目的地に一定時間止まり、ふたたび客を乗車させて次の目的地に向かうという
いわば半観光バスです。

実はこのバスの停車地はワイナリーではなく、花公園という別の観光名所。
地図ではすぐ近くに見えたので、これに便乗してみたわけです。
つまり他のお客さんたちがこの公園で観光している間に、
単独行動でワイナリーを訪問するという作戦。
はたしてどうなるでしょうか。

久住という場所はダイナミックな景観が有名らしいのですが、
バスが進む間に雨は本降りに。もはや土砂降りといってもいい強さになってしまいました。
そのため売り物の絶景は霧に包まれて何も見えず。
案内してくれたガイドさんはひどく残念そうでした。

バスは狭く険しい山道をジェットコースターのように爆走していきます。
由布院から1時間40分ほどで、花公園に到着しました。

降りる際に、ワイナリーの場所を尋ねてみました。
すると、なんとガイドさんも運転手さんも「知らない」との答え。
いやな予感が頭をよぎります。
ガイドさんが花公園の人に聞いてみてくれたのですが、
返ってきたのは「あっちのほうらしい」的な答え。
ヤバイ…。ちょっと甘く見すぎていたようです。

ひとまずお礼を言って、「あっちのほう」へ。
荷物を抱え、ゆるやかな坂道をしばらく歩きました。
しかし案内板も見当たらず、雨は容赦なくたたきつけてきます。
目の前には馬の放牧地が広がり始めました。

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うーん、どうしようか。
悩み始めたころに、小さな矢印を発見!

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少なくとも方向は合っていたようですが、距離はまだ分からず。
けれど、とにかく前進です。

ほどなく大きな看板が見えてきました。到着です!

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どうやら私の作戦もそれほど見当はずれではなかったようです。
胸をなでおろして、売店とかかれた部屋へ。
おお、確かに試飲コーナーがあります。

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さっそく数アイテムの試飲をお願いしました。

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途中から製造主任の中澤さんにお相手していただくことになりました。
本格的にスタートしてからまだ3年。これから未来が待っているワイナリーです。

「これから、と言っているうちにもう3年も経ってしまいました。」と中澤さん。
主任という肩書きですが、現在、醸造はお一人で手がけているとのこと。
「常に何かしら仕事があって、ぜんぜん休めませんね。」
どこのワイナリーも、皆さん大変です。

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発酵を途中で止めた甘口シャルドネはすっきりした甘さ。
「年配の方が多いので、やはり甘口は人気があるんですよ」とのこと。

「ションベルガー」はあまり聞きなれない品種ですが、
「シャスラ×マスカット・ハンブルグ」という交配種。
日本では山梨のスズランワイナリーでもワインを作っているようです。

最初の香りや口当たりで、ドイツ系品種独特の個性をしっかりと感じます。
やや甘口ですが、ボディはかなりしっかり。
「去年はもう少し甘くしたんですが、
 今年の作りなら食中酒としてもいけると思います」とのお話でした。

2種類のメルロは同じ畑の葡萄ですが、ヴィンテージ違いで
キャラクターもはっきりと異なります。
2007は樽もしっかりときいていて、どっしりとした作り。
一方、2008は若々しい果実味が前面に出たワインです。

「葡萄を丸かじりしてるみたいですね」と聞いてみると、
「よく言われます」とニッコリ答えてくれました。

「一番、力を入れているワインは?」と聞いてみたところ
「山葡萄」というちょっと意外な答えが。
正確には山葡萄そのものではなく、
地元で自生していた山葡萄と
メルロやピノ・ノワールを掛け合わせた品種だそうです。

うーん、飲んでみたい…。
でも残念ながら現行ヴィンテージはすでに売り切れ。
まもなく次のヴィンテージをリリースするそうです。
山葡萄らしく酸が強いとのお話でしたが、ズバリ興味あります。

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ワイナリーの前の斜面には広大な垣根の畑が一面に広がります。
広さは5ヘクタール。雨の中でも壮観でした。

この地の標高は850メートル。
冬はひざぐらいまで雪が積もることもあるそうですが、
一番の難敵は収穫時に吹く強風ということでした。
葡萄の実が受けるダメージはかなり深刻だそう。
もちろん台風もあるので、栽培にはかなり苦労されているようです。

ワイナリーを後にして、畑にも少しお邪魔してみました。
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背の低めの樹たちが、厳しい環境に負けじと育っています。

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久住ワイナリー、これからも注目していこうと心に決め、
ぎりぎりでバスに戻ることができました。
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by inwine | 2009-06-03 23:20 | ワイナリー訪問
九州の旅<2> 由布院ワイナリー

九州の旅、次に訪れたのは由布院ワイナリー。
由布院は観光地として有名ですが、ワイナリーがあるのは隣の南由布。
こちらはかなりのんびりとした土地で、駅も無人駅です。

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まずは今日の宿「ゆふいん時遊館」へ。
この宿の隣にはソーヴィニヨン・ブランの畑があります。

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実はここの葡萄から宿専用のワインが作られているんです。
醸造はもちろん由布院ワイナリー。
栽培はワイナリーをアドバイザーとして、所有者のホテル側が管理しているそうです。
このワインの一般販売はないそうなので、今夜の食事が楽しみ。
ワイナリーへ向かう前に畑を見せてもらいました。

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写真のように周囲は水田。このあたりは本当に水田が多く見られます。
後から聞いた話ですが、この畑も元々は田んぼだったとのこと。

はたして今年はどんな年になるのか。

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さて荷物を預かってもらい、ワイナリーへ!

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きれいな外観です。案内していただいたのはスタッフの田羽多さん。
最初にシャルドネバレル615・2007と
中川サンジョヴェーゼ・ロゼ「SAKURA」を試飲させてもらいました。

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「615」とは葡萄園のある土地の標高。つまり615メートルです。
一般的に葡萄栽培の限界標高は800~1000メートルと
言われているそうなので、なかなかの高地といえます。
(ちなみに赤で力を入れている山ソーヴィニヨンのワイン名は「645」)

樽熟成期間は一年未満。新樽はほとんど使わないそうです。
やわらかい樽香がエレガントな柑橘系の香りとぴったり。
ボディもしっかりと感じられ、
さらにフィニッシュには果皮のニュアンスと豊かなミネラル感が。
とても綺麗で魅力的なワインです。

サンジョヴェーゼのロゼはフレッシュな果実味があふれる
チャーミングなワイン。
赤ワインの醸造フローを経て作られていて、色もロゼとしてはやや濃い目。
骨格もきちんとあるため、食事と一緒にしっかり楽しめるワインに仕上がっています。

現在、ワイナリーで正規に販売しているのはこの2アイテムのみ。
「無理にたくさんは作りません。だから売り切れたらそのまんま。」と笑う田羽多さん。
うーん、潔いです。

次に中の設備を案内してもらいました。現在はほとんど作業はお休みとのこと。
醸造担当の東さんもお休みされていて、お話は聞けませんでした。ちょっと残念!

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醸造作業は東さんがほとんど一人で行っているとのこと。
ピジャージュなどの手作業もひとりきりだそうです。

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そのためか各設備は、コンパクトでいかにも効率良さそうな配置でした。
手作り感がリアルに伝わってくる感じです。

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この樽の中に眠っているのはシャルドネ。香りだけテイスティングさせてもらいました。

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さきほどの2007年同様の柑橘系の爽やかな香りに加え、
こちらはエステル系というか、より甘い果物のような濃厚な芳香が。
いいですね~。
まもなくボトリングして、年内にはリリースする計画だそう。
その日が待ち遠しくなりました。

「日本では風土に合った日本らしいワインを作らないとダメ」と田羽多さん。
「いきなりワインの東大に入ろうと思っても無理ですよ」と
独特の言い回しで持論を語ってくれました。

ちなみに田羽多さんが最近、感銘を受けたのは韓国のマスカットベリーA(!)。
現地で味見したそうですが、甘さも凝縮感もかなりのものだそうです。
畑はすべてギュイヨ・サンプルの垣根。糖度はなんと24度まで上がるとのこと。
内陸で栽培されているらしいのですが、なんだか凄い話です。

農家が醸造したワインも飲ませてもらったところ、かなり美味しくて驚いたという話でした。
もしかしたら将来は韓国から葡萄が…?
ウソみたいな話ですが、意外と有り得ないことじゃないのかも。

長々とお話を聞かせていただいた田羽多さん、ありがとうございました!

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試飲コーナーの棚には訪れた有名人のサイン入りボトルが。
芸能人の名に混じって、ブルゴーニュのシモン・ビーズや
初代世界最優秀ソムリエのジャン=リュック・プトーの名前もありました。

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最後はサンジョヴェーゼの畑へ。こちらも周囲は水田です。

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隣の小屋には鴨がたくさん。合鴨農法でしょうか。

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さて宿へ戻って、お待ちかねの夕食です。

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いやー、正直ヤバイです。
オーナーのお母さんが手がけられているという野菜がメチャうま。
煮物、焼きもの、てんぷら。いちいち美味しくて、ほっとため息が出るほど。
味付けも絶妙で嬉しくなります。
実を言うと、昨日の宿の料理があんまりイマイチモゴモゴモゴ…だったので
よりいっそうの感激でした。

さて、お待ちかねのソーヴィニヨン・ブランは?

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いやー。これも負けず劣らずイイ!
トップノーズは品種独特の青いハーブ香が強く迫ってきます。
そしてグレープフルーツよりも強めの柑橘系の香り。
やや酸化のニュアンスが感じられますが、
それがボディにいっそうのふくらみを与えている気がします。

味わいは爽やか。でも途中で尻すぼみになることなく、
中盤のボリュームがあり、ミネラルもしっかり感じます。
野菜の天ぷらとの相性はお世辞抜きで感涙ものでした。

お話を聞くとこのワイン、実はアルコール度数が14%近くあるとのこと。
収穫時の糖度はなんと22度まで上がるものもあるそうです。

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すごくボディのあるワインだなと思ったのですが、それも納得。
実際、豊後牛のイチボ肉の鉄板焼き
(これがまた脂っこくなく、旨みたっぷりで激旨)にもバッチリ合いました。

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こんなSBもあるんですねー。ホントいい経験をさせていただきました。

ちなみにこのホテル、交代制の貸切露天温泉も実に快適。
部屋の広さや清潔さも含めてかなりオススメです。
由布院ワイナリーにお出かけの際は、ぜひ!
(写真は部屋から見える葡萄畑)

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いやー九州ワイナリーめぐり、なかなか刺激的な経験が続きます。
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by inwine | 2009-06-03 06:20 | ワイナリー訪問
九州の旅<1> 安心院葡萄酒工房

ぽっかりと大きな時間が空いたので、九州に出かけました。
最大のお目当ては、もちろん各地のワイナリー。
かなり直前に行くことを決めたのでバタバタしましたが
なんとか準備オーケー。
実は九州に行くこと自体が初めてなので、かなり楽しみです。
ウマいもんもいっぱい食うぞ!

まず最初に訪れたのは、安心院葡萄酒工房。
3月のたこやき坊主さんのワイン会でお世話になった古屋さんを訪ねました。
大分空港からリムジンバス→タクシーと乗り継いで到着です。

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まず醸造設備を見学させてもらいました。
ずらりと並んだ樽の中身はベリーA。作業中の周囲には甘~い香りが漂っていました。

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現在、醸造スタッフの仕事はボトリング作業が中心とのこと。(お忙しいところスミマセン!)
こちらは樽の洗浄作業風景。

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貯蔵タンクから試飲させてもらった2008年のシャルドネは、オークの風味と果実味のバランスが抜群。
ボディもふくよかで、非常にスケールの大きなワインです。

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グラスに注いだばかりのときはやや閉じ気味でしたが、
少しスワリングするうちに、シトラス系の香りがどんどん立ち上ります。
完熟したグレープフルーツの皮の香りといったイメージ。
そこにほんのりとした樽の香りがうまい具合にのってます。
(ちなみに新樽比率は10~20%とのこと。)

「『素顔も美人だけど、化粧も綺麗に整ってる』って感じですね。」と言うと、
「そうでしょ?」と嬉しそうに答えてくれました。

次にワイナリー裏にある自社畑へ。
決して大規模な広さではありませんが、こちらの葡萄は赤のフラッグシップワイン
「メルロー・リザーブ2005年」にも使われています。

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ちなみに「リザーブ」と名のつくワインは何種類かありますが、
いずれも畑ごとに決めているわけではなく、
収穫した葡萄をワイナリーで選果する際、どれを使うか決めているそうです。
ただし仕込んだ後でも「リザーブ」という名にふさわしくないと判断すれば、
リリース自体しないとのこと。
実際に2006年の「メルロー・リザーブ」は世に出ていません。

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こちらの畑は樹齢7年。まだかなり樹勢が強く、暴れ気味だそうです。
大きな葉が印象的でした。

現在はシラーやテンプラニーリョなども試験栽培中。サンジョヴェーゼも検討中とのお話でした。

最後に売店のカウンターで、試飲をさせていただきました。
今回、特に印象的だったのは「安心院ワイン赤 マスカットベリーA」。
ヴィンテージ表記のないこのボトル、豊かな果実味と熟成感が見事に共存していて、
なんだかブルゴーニュの熟成ワインのよう。実はこの味わい、ブレンドの妙味の成果なんだそうです。
こういうやり方もあるんですねー。古屋さんの熟練テクに脱帽という感じでした。

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ワイントーキョーでお会いした岩下さんとも再会。
「ワインが瓶詰めされて初めて、やっと一息つける」という言葉には
台風直撃の危険に毎年さらされる、九州の造り手さんならではの切実さがありました。

葡萄栽培の話から、農家さんの話になり、
話題は受賞ワインとしてもおなじみの「イモリ谷」の話に。
実はこの畑を所有する方はまだ20代の若者だそうです。
お父さんの跡を継いで、葡萄栽培を行っているとのこと。
全国的に農業従事者の高年齢化が危惧される昨今ですが、
安心院ワインの未来はかなり明るいかもしれません。

醸造に関して目からウロコのようなお話も聞けて
疑問に思っていたこともいくつか解決。とても収穫のある訪問となりました。

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最後はこの日の宿泊地、別府までの交通手段まで丁寧に調べていただきました。
古屋さん、岩下さん、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました!
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by inwine | 2009-06-01 21:35 | ワイナリー訪問