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池川仁さんの畑

ワイン仲間の方にお誘いをいただき、念願の池川仁さんの畑を見せていただきました。
池川さんはシャトー酒折の「キュヴェ・イケガワ」でも知られる、革新的な葡萄栽培家です。

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「環境のまったく違うヨーロッパの栽培の教科書を、
 そのまま日本に持ち込んでもうまくいくわけがない。」

「カリスマ」という言葉を感じずにはいられない、池川さんの言葉には
圧倒的な迫力と説得力があります。
その考え方の根本は日本の土地で長く培った葡萄栽培のノウハウを、
ワイン用葡萄にも生かすというもの。

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土壌や気候、病害、そして葡萄そのものと実際に向き合ってきた
池川さんだからこそのアプローチですが、
同時にまったく自然で真っ当な向き合い方だともいえます。
ワインをめぐってしばしば乱発される「テロワール」という言葉が、
本来どういう意味なのかを考えさせられました。

「匂いをかいでみて」と言われて手に取った畑の土は、他の畑とはまったく違う懐かしい匂い。
少し口にも入れてみましたが、他所の土は強烈なエグ味があるのに対して、
池川さんの畑は、やはり遠い記憶の土の味そのものでした。
土壌の違いというものを、文字通り味わえた気がします。

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「生食用葡萄に比べれば、ワイン用葡萄のほうが楽」という言葉には、
長い経験に基づく確固たる自信が伝わってきますが、
池川さんの凄いところは決して旧来の栽培方法に拘ってはいないところ。

というより過去の常識にはまったく流されることなく、
きわめて独創的な手法で成功を収めています。
その根底にあるのは、何よりも
「人間は葡萄の生育をコントロールするのではなく、ただ手を貸すだけだ」
という考え方です。

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そしてさらに特筆すべきなのは、
こうした新しい手法をすべて理論体系化しているところ。
決して『感性』だけの産物ではありません。

たとえば葡萄の樹の仕立て方や接木の手法ひとつとっても
従来との違いやその意味を、植物生理学の観点から詳細に説明していただけました。

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「当たり前」の出発点、大胆な発想、理論的な裏づけ、確かな目標、そして成功。

「私は畑でワインを作っているんです」と語る池川さん。
従来の日本の葡萄農家には、ほとんどなかった発想のはずです。

池川さんと強力タッグを組むワイナリー、シャトー酒折の井島さんも
やはり実に説得力のある、そしてきわめて現実的なポリシーを持つ方です。

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醸造設備を見せていただくとき、井島さんがいつも誇らしげに言うのが
「機械の分解と洗浄がうちの最大の仕事です」という言葉。

清潔な環境を常に維持して雑菌を徹底的に排除、
葡萄のポテンシャルだけを純粋に引き出すというやり方は、
池川さんの葡萄にはまさにぴったりのような気がします。

「ヨーロッパではワイナリーが栽培も行うのが一般的だけれど、
 日本では餅は餅屋。葡萄農家の方に任せるのがいいと思う。」
という言葉にも、なるほどと頷かされます。

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井島さんは新しい技術の導入に関しても、あいまいな点は一切ありません。
「必要と判断すれば、必要なモノを使う」というのがポリシー。
私個人の考えですが、これこそがものづくりのうえで
一番安全で、信用できるルールのような気がします。


最後に池川さん、井島さんと試飲させていただいた際、
天然酵母での発酵について意見を聞いてみました。
クリーンで現実的なワイン造りをされるお二人には、一見真逆のアプローチにも思えますが
だからこそ尋ねてみたくなったのです。

意外にも井島さんは「実は興味がある」と教えてくれました。
「池川さんの葡萄を、その葡萄自身の酵母で自然に発酵させてみたい気もするんです。」

「葡萄の成長に手を貸すだけ」という池川さん。
「葡萄の力を引き出すだけ」という井島さん。

その言葉は、まったく遠くに位置するようにも思える、
いわゆる「自然派ワイン」の主張とも、どこか重なって見える気もしました。


現在、お二人はさまざまな海外用品種も栽培・醸造中とのこと。
そのボトルが世に出たとき、日本ワインの未来はまたひとつ開けるはずです。

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(K・Nさん、写真提供感謝です!)
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by inwine | 2009-05-29 22:22 | ワイナリー訪問
駆け足で <5>
X月X日

五味葡萄酒「花ラベル赤」。

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セパージュはベリーA、カベルネ、ブラッククイーン。
完熟したベリーAのキャンディー香とカベルネのボディとタンニンがバランスよく感じられる。
ほんのりとした土っぽさも良い感じ。

果実味が豊かで、中盤のボリューム感のある厚みが素晴らしい。
一方で酸もしっかりしていて、骨格も十分。
これはブラッククイーンのブレンドのおかげでしょうか。フィニッシュも長い。

お値段は1300円。いやー、文句なしです。


X月X日

横浜「藍の月」にて麻屋葡萄酒のワイン会、
「山梨サムライワインと新・江戸酒肴料理のマリアージュ」。
先月のアルプスワインの会に引き続き、私も少しだけお手伝いをしました。

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このワイナリーのワインには、今風のキレイな日本ワインとは少し違う
どこか腰の座った、男っぽい個性が感じられます。
今回、醸造家の雨宮一樹さんにいろいろと話を聞き、その独特の方向性が
長い伝統に裏打ちされた醸造哲学に基づくことを教えてもらいました。

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決して横並びではない、それぞれのワイナリーならではの味わい。
今回もアサンブラージュのポスターを会場に掲示させてもらいましたが、
この中に仲良く収まっている若き醸造家たちは
同世代の近しい仲間であると同時に、切磋琢磨するライバルでもあります。

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(写真は麻屋のワイナリー)

彼らが手がけるワインは、どれひとつとして同じではない。
写真に刻まれた風貌の違いのように、ワインもまったく異なります。
同じ甲州、同じベリーAのワインであっても(あるいは、だからこそ)
飲んでみると、そこには必ず新しい発見や刺激があります。

造り手の個性とワインの個性を、ひとつひとつじっくりと味わう。
こんな楽しみを享受できるのは、日本ワインならではのぜいたくかもしれません。

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粋な江戸・東京風料理と骨太な日本のワイン。今回もすばらしい会でした。


X月X日

東京流通センターで行われた「WINE TOKYO 2009」に行ってきました。
昨年もお邪魔したのですが、なんだか一年があっという間に感じます。

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「関東最大のワイン展示会」という触れ込みだけあって、出展企業はかなりの数。

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国産ワインの中心ワイナリーも勢ぞろいしていました。

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今年はアサンブラージュのメンバーも全員参加です。

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飲食店や酒屋さんなど、ふだんお世話になっている方々とも何人もお会いしました。

今回、注目だったのは楠ヴィニヤーズ。
2006年に初ビンテージをリリースしたという長野県須坂のワイナリーです。

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栽培・醸造を一人でおこなう楠茂幸氏は20年の会社勤務ののち、
オーストラリアのアデレード大学大学院でワイン造りを学んだという異色の経歴の持ち主。

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セミヨン・ソーヴィニヨンブランはくっきりとした酸と豊かな果実味が印象的。
またメルロ・カベルネソーヴィニヨンもしっかりしたボディと長い余韻が見事でした。

いずれも実に全体のバランスがよく、葡萄のポテンシャルもさることながら
ヴィニュロンの力をはっきりと伝わってくる気がしました。


またエーデルワインのツヴァイゲルトレーベのスケールの大きさにもびっくり。

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果実味も骨格も、まさに本格派の味わいです。
自慢するほどの経験はないんでアレですが、今まで飲んだこの品種の中で一番美味しいかも。

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いまや日本には実力派ワイナリーが目白押し。
l国産ワインの黄金時代はすぐそこに迫っているのかもしれないなと、つくづく思います。


X月X日

原茂ワイン「ハラモヴィンテージ甲州樽熟成 '07」。

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先日の甲斐vinの際、ブラインドで選んでいたので改めて検証(?)。
うん、やっぱりウマイです。
甲州に限らず、樽のニュアンスの強めのワインは苦手なんですが
これはバランスがすごく良い。さすがです。
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by inwine | 2009-05-28 10:36 | そのほか
駆け足で <4>

x月x日

「小布施ワイナリー リースリング ファミリードライ」。

名前通り、とても「ドライ」な味わい。シャープな酸とぎっしりしたミネラル感が口の中で広がります。
リースリングとリースリング交配種のブレンド。「ファミリー」って名前イイですね。
抜栓後、時間をおけば違う表情を見せそうな気もしたのですが、あっという間に飲んじゃいました。

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x月x日

日本橋にある「富士の国やまなし館」に行ってみました。
山梨の名産品を扱う県のアンテナショップです。

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店内には県産ワインがずらり。最近になって、改めて力を入れ始めたそうです。
毎月第二第四金曜日には、醸造家を招いての試飲会も開いているとのこと。
国産ワインファンにとっては意外な名店(?)かもしれません。

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x月x日

横浜の酒屋さん、マルシェ・ディジュールへ。
国産ワインがずらりと並ぶカッコイイ酒屋さんです。場所は横浜スタジアムがある横浜公園のすぐ目の前。

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特筆すべきはラインナップのシブさ。北海道から九州まで、かなりイイ感じのワインばかりが並んでます。
仕入れに力を入れているのが、店頭からもビンビン伝わってくる感じでした。
ワイナリー品切れ銘柄や、希少アイテムなど「こんなのまだあったの?」というものもたくさん。

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店内にはスタンディングバーがあり、グラスワインが格安で楽しめるのがうれしい。
この日はブルゴーニュ数種をはじめ、かなりの数のワインが空いてました。
立ち飲みスポットとしても、絶好の穴場といえます。

カウンター奥には、アサンブラージュのポスターも。

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ズバリ言って、かなりオススメ。選ぶだけで楽しくなるお店です。


x月x日


第1回「北海道のワインを飲んじゃお会」に参加してきました。
北海道ワインの普及を精力的に進める強力サポーター、あ~ちゃんさん主催のワイン会です。
会場はまたまたまた「Marche de VinShu」。

函館ワイン、北海道ワイン、千歳ワイナリー、ふらのワイン、
十勝ワイン、中澤ヴィンヤードの貴重アイテムがずらり。

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面白かったのはふらのワイン。なんと市営で、栽培の方も醸造の担当者も市の職員という身分なんだそうです。
「おみやげ用?」という疑問が頭に浮かびましたが、「シャトーふらの」(バッカス・ケルナー)を飲んでびっくり。
すっきりした甘さが魅力的な、洗練された味わいでした。

もちろん中澤ヴィンヤードの栗沢ブランはじめ、他のワインもかなりの完成度。
千歳ワイナリーの「レシラ ピノ・ノワールロゼ」はイチゴの香りがいっぱいの可憐で楽しいワインです。

どのグラスからも、北海道という土地の将来性が伝わってきます。

もうひとつびっくりしたのが、あ~ちゃんさんが持参してくれたじゃがいもたち。
色・大きさ・形もさまざまで、味も実に多彩。さすがです。
特に「インカのひとみ」という品種は、ねっとりとした甘さが感動的なウマさでした。

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現地では町のスーパーでも、当たり前のように何種類ものじゃがいもを売ってるそうです。
ウラヤマシイ。ただ茹でただけで晩御飯のおかずになるじゃん。

ホントに楽しい会でした。あ~ちゃんさん、ありがとうございま~す。


x月x日

マイミクのデクさんのお誘いを受け、「日本自然派のシャルドネを飲む会」へ。
ワインリストは…

ボーペイサージュ シャルドネ2007
ボーペイサージュ シャルドネ2007(亜硫酸無添加)
金井醸造場    万力シャルドネ2008
タケダワイナリー シャトータケダ シャルドネ2007
小布施ワイナリー ドメーヌソガ ムラサキヴィンヤード2007

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シャルドネばっかりの会、予想以上の面白さでした。
「赤が飲みたくなっちゃうかな」なんて思ったりしたんですが、さすがは実力派ワイナリー揃い。
どれを飲んでも新鮮な驚きがありました。

同一品種だけにそれぞれの個性が際立ち、造り手ごとに異なる個性豊かなキャラクターが見えてきます。

一方で、どのワインにも共通していたのが伸びやかな果実味。

「自然派」というカテゴライズが何を指すのか、なかなか難しい部分もありますが、
この日飲んだワインには、ひそかに通底する「哲学」が感じられた気もしました。

…とかなんとか言いつつ、結局最後には赤もバッチリと。たぶん会費オーバーしちゃったはず。
デクさん、ごちそうさまでした!


(つづく)
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by inwine | 2009-05-13 13:46 | そのほか
駆け足で <3>

x月x日

「2001年高畠シャルドネ樽発酵」を金目鯛のしゃぶしゃぶと。

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しっかりした腰の強さが樽の風味を支えるバランスの良いシャルドネ。
しゃぶしゃぶは金目のアラでダシを。脂ののった濃厚な旨みとバッチリ合います。

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ビールとも日本酒とも違う、日本ワインならではのマリアージュを楽しめました。
(スミマセン。記憶違いでちょっとゴチャゴチャになってて訂正しました。やっぱりためすぎるとダメですね。)


x月x日

阿佐ヶ谷「志ノ蔵」へ。以前にもおうかがいした美味しい鶏鍋のお店です。
このお店のこだわりは「純国産」。野菜、肉などの食材はもちろん、
オリーブオイルなどの調味料、器にいたるまですべてが選び抜かれた日本産。

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料理はシンプルな見た目ですが、じんわりと体に染みこむような滋味に満ちています。
ワインは小布施と金井醸造場を。シアワセな気分でした。

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x月x日

渋谷・クヨールにて「ボー・ペイサージュ2007 リリースパーティー」。
昨年は昼夜参加という強行スケジュールでしたが、今年はおとなしく夜だけの参加にしました。

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会場はキッチン・セロでおなじみの東美グループの新店「クヨール」。
彫刻の世界から料理界に転身して、世界の名店を渡り歩いた船越シェフの料理が話題のお店です。

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まずはシャルドネから。最初の一口はシャープな酸が印象的でしたが、時間が経つにつれ、肉厚な果実味がじんわりと。

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もちろん充分美味しいのですが、これは時間をかけて飲めば、かなり化けそうな気配です。

次は「ラ・ボワ」。カベルネ・フラン100%です。
「今年は今までより、最初から開いている」と岡本さん。
鼻を近づけると… 出ました。まさに岡本さんのワインの香り。
ミント系のハーブや甘いオレンジのような芳香が立ち上ります。
酸とのハーモニーも抜群。
チャーミングな印象ですが、こちらも時間経過とともに妖艶な香りを放ち始めていました。

3番目はメルロ100%の「ラ・モンターニュ」。
ブルゴーニュグラスに注がれたワインは、やはり少しだけスワリングすると、なんとも官能的な香りに。
一緒に出された料理は「フォアグラプリンと鰹のスープ」。
鰹とトマトの出汁でとったスープにフォアグラという、個性派シェフらしい大胆な一皿です。

まるで魚介と肉のダブルスープラーメンのような、かなりダイナミックな合体ですが、
ダマスクローズというバラのコンフィチュールを加えることによって、
見事に上品な味わいに仕上がっています。
濃厚かつ繊細なフォアグラの味わいと鰹・トマトのしみじみとした旨みの融合は最高でした。
もちろんワインとの相性もバッチリ。

そしてカベルネ・ソーヴィニヨン100%の「ル・ヴァン」。
料理は「スモークプーアール茶の鰻と土系ソース」。
こちらも新牛蒡、山椒を使った蒲焼風の意欲作。

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「岡本さんのワインをイメージしたとき、やはり「和」を意識しましたか?」とシェフに尋ねたところ、
すごく意識しました、との答え。ワイナリーや畑に足を運ぶなど、苦労の末、完成したメニューだけあって、
料理の完成度、ワインとの相性はさすがでした。

「カベルネは毎年毎年やめようと思っているけど、ワインを作ると、やっぱり来年もと思い直すんです。」と岡本さん。
香り、味わいはいわゆるカベルネのイメージとは少し違う、独特の複雑さがあります。
うまくいえませんが「東洋的なスパイス」といったニュアンスを感じました。

そしてラストのひとつ前に、再びシャルドネ。
実は最初に注いでもらったシャルドネを、この時点まで飲まずにグラスに残しておいたのですが、
改めて香りをかいでみると、ハチミツ、バターの香りがムンムン。クラクラしそうです。

料理は「蛤と仙人小屋の山菜 バターとプリザーブレモンの泡」。
ハマグリの肉厚な旨み・苦味、そして濃厚なバターの味わいはまさにシャルドネのイメージそのもの。
すばらしい組み合わせでした。

いよいよ最後はピノ・ノワール。
今年は例年に比べ、かなり若々しさが特徴的だそうです。
やはり官能的な香りと複雑なハーブ・スパイス香がなんとも魅力的。
シェフはこの香りを「日本のお香」と表現していました。なるほどー。

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料理は生で燻製を施した小鳩のローストに、八重山の香辛料、ピィヤーシを添えたもの。
ピィヤーシはなめるとほのかに甘く、シナモンのような香りがします。
こちらもマリアージュはバッチリ。実に贅沢です。

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デザートはピノ・ノワールの枝の燻香をつけたクレーマカタラーナ。もちろんこれもウマかったです。

今年も素晴らしかったボー・ペイサージュのワイン。
今から来年のリリースが楽しみになってきました。気が早すぎます。


(つづく)
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by inwine | 2009-05-11 19:20 | そのほか
駆け足で <2>

x月x日

旭洋酒の「それいゆメルロ 2007」。
色調はバイオレット。口に含み飲み込むと、柔らかさと力強さの両方が味わえる。
中盤の伸びが魅力的。バランスも素晴らしいです。
抜栓後一時間ほどで、スパイシーな香りが広がってきました。コショウと赤い果実。
うっとりするような芳香です。

美味しい~。今もバッチリだけど、一年後にはどうなってるでしょうか。楽しみです。

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x月x日

若手醸造家グループ「アサンブラージュ」(ポスター大好評展開中!)の新メンバー、辻さんのワイナリー「マルサン葡萄酒」を訪問。
伝統あるワイナリーに、新たな若き造り手。歴史は受け継がれ、新しい道が敷かれていく…。うーん、なんだか感動的です。

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ワインも自社畑の樽なしシャルドネとかプティ・ヴェルドーとか、ひとクセもふたクセもあるユニークなラインナップ。案内していただいた畑も興味深かったです。

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あまり広く知られているワイナリーとはいえないと思いますが、「訪問 日本のワイナリー」ではとっくに紹介済みでした。さすがです。


x月x日

またまた「野菜バル Marche de Vinshu」で「宮崎都農ワインと九州野菜料理のマリアージュ」。
醸造家の小畑さんは青年海外協力隊でボリビア滞在を長く経験したあと、
ブラジルでワインを作っていたという超異色派。個性はやはり強烈で、非常に魅力的な人物でした。

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台風の多い宮崎でワイン造りをする困難。都農という地域へのこだわりと土地に根を下ろすことの苦労。
栽培、土壌作りに関する斬新な発想と実践。醸造の新しい手法への挑戦。

小畑さんの熱いトークは、思わず身を乗り出して聞いてしまう内容ばかりでした。
ボリビアでのちょっと荒っぽい思い出話も抜群の楽しさ。スゴイ人です。

「シャルドネ・アンウッデッド」はトロピカルフルーツのような香りが魅力的。「南」を感じさせるワインです。
しかし味わいは予想以上に酸がしっかり。完熟したグレープフルーツや夏みかんといった印象でした。

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「シャルドネ・アンフィルタード」は樽の風味と葡萄の力がうまくマッチ。「日向鶏のローストきんかんソース」が素晴らしく合いました。


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前回の安心院の会のときもそうでしたが、このお店でのワイン会は料理とお酒の相性がものすごく考えられています。
今回もマリアージュを存分に楽しみました。

都農ワインの代名詞・キャンベル・アーリーやベリーA、スパークリングもかなりの完成度です。
「若い頃はひたすら濃いワインが好きでしたけど、今はオレゴンのピノが好き」と語ってくれた小畑さん。
「宮崎産ピノ・ノワール」の登場は案外、近いのかもしれません。


x月x日

「フェルミエ シャルドネ2007」

スペインの「サンティアゴ・ルイス」が頭に浮かぶ、地図のエチケットが可愛い。
グラスに注ぎ、少し揺するとカスタード香。MLF由来でしょうか。樽のニュアンスもしっかりと感じます。
酸のボリュームがしっかりあって、余韻も長く楽しめるワインです。
ただ3000円超という価格を考えると、もう少し骨格がしっかりしてるとうれしい気も。
とはいえ、なかなかのウマさです。

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x月x日

山梨・アルプスワインで行われたイベント「アサンブラージュ体験」に参加してきました。
赤白7種、それぞれ別に仕込まれたワインを自分でブレンド。ワインのブレンダー気分を味わうという試みです。

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いやー、しかし難しい。いくらやっても変な味のワインしかできません。
途中、醸造家の前島さんがちょちょいと造ったブレンドを飲ませてもらったら、これがウマイこと。
もうこれでいいじゃんと思ったら、あっという間に探究の心が折れました。一応、最後まで頑張りましたが。
やっぱりモチはモチ屋。素人にはムリでした。

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シラーってつい入れたくなるんだけど、うまい具合にシラーの個性を出すのが難しい。
あとカベルネもブレンドするのがすごく大変な気がしました。
白は甲州の扱いが予想以上に難しい。甲州とシャルドネのブレンドって実際にもありますが、
どんなコンセプトなんだろうか。

ともかく自分の才能のなさを思い知った日でした。



(つづく)
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by inwine | 2009-05-10 03:32 | そのほか
駆け足で <1>

またまた、ずーっと更新をさぼってしまいました。
実はこの間もいろんなイベントに参加したり、ワインを飲んだりしてたので
書かなきゃいけないなと思うことがすっかり山積みに。
サボればサボるほど、ネタがたまっていくという悪循環です。

なので今回は空白の期間を、日記風に駆け足で書き綴ってみることにしました。
なんとか今日の日付までたどりつけるといいのですが。

x月x日

日本橋「野菜バル Marche de Vinshu」で開かれた「要注目の日本ワイン醸造家と飲みほす会」(大分・安心院葡萄酒工房)に参加。
日本ワイン界の仕掛け人、たこやき坊主さんの主催イベントです。
国産ワインコンクールなどで数多くの受賞歴を誇るシャルドネは、非常に個性豊かなワイン。
「イモリ谷」「リザーブ」など、さまざまなアイテムの飲み比べは貴重な体験でした。
アメリカンオーク樽熟成のベリーAもユニーク。

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ワイナリーからお見えになったのは醸造担当の古谷さん。興味深い話をたくさん聞かせてくれました。

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最近はソーヴィニヨン・ブランを植えたり、テンプラニーリョも検討中とのこと。
現在はもちろん、将来も目が離せないワイナリーです。

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x月x日

蒼龍葡萄酒「シトラスセント甲州辛口 2008Nouveau」。
決して難しい顔などせず、どんな人も受け入れてくれる。味わいはすっきり、柔らかく、優しい。
気の置けない人と話をしながら、スイスイ飲んでるうちに、あっという間になくなってる。
そんなワインです。

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x月x日

平塚・モトロッソで「第10回 日本ワインを楽しむ会」。ゲストはルミエールの小山田さんです。
ワインはペティヤン3種と一升瓶の「南野呂」の赤白。

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「ペティヤン2007(白)」はマグナムにて。甲州を使ったスパークリングワインです。

味わいはドライで酸がすっきり。夏にうれしい爽やか系です。
マグナムボトルに詰めたのは去年が初めてで、きっかけはなんとスタッフの結婚披露パーティー用だったとのこと。
一次発酵中に瓶詰めする、いわゆる「メトー・ド・アンセストラル」で、泡は4~5気圧。本格派です。

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「オランジェ2008」も甲州ですが、こちらは醸し仕込み。
名前どおりの「オレンジ」というほどの色ではありませんが、果皮の風味がよく出ていて美味しい。
醸しの期間は1週間ほどだそうです。個人的にはこちらのほうが好みでした。
コスト削減のため、コルクの代わりに王冠を使用。これがまたいい味出してます。

「ペティヤンルージュ2008」はベリーAを使用。香りはまさにイチゴそのものです。
チャーミングで美味しいワインでした。ピクニックに持っていきたい感じです。

一升瓶ワインはともにびっくりするぐらいの美味しさ。「こりゃウマイわ」と素でつぶやいてしまいました。

自然派の旗手として名高い小山田さんですが、「特別なことは何もしていません」と言葉は自然体そのもの。
「志が近いと思う仲間」として金井さん、小林さんの名前を挙げられていたのが印象的でした。

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x月x日

ハイランドリゾートホテル&スパにて「第7回甲斐Vinワインセレクション」。
甲州ばかりを41種類、ブラインドテイスティング。美味しいと思ったワインを投票するというイベントです。
昨年に続いての参加ですが、やっぱりこの数のテイスティングは真面目にやればやるほど大変。
ワインそのものがどうというより、自分がどんな味が好きなのかが、だんだん分からなくなる気がします。

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優勝は「発酵や熟成に樽を使用した」A部門が「甲州樽熟成甘口/フジッコワイナリー」。
樽を使わないB部門が「グレイス グリド甲州/中央葡萄酒」。

意外なようなそうでないような。昨年、A部門で優勝したシャトレーゼは惜しくも2連覇ならず。
それでもA・B両部門で3位以内に入ってるのはさすがです。

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ちなみにワタシは両方の部門で蒼龍を選んでました。シトラスセント、やっぱしウマイです。

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コンテストの後は造り手の人たちを交えてパーティー。甲斐vinはいつも食事がうまくてうれしい。
40種類以上、テイスティングできて、料理もバッチリ。ワイナリーに行かずとも醸造家の方々と話ができる。
これで4500円ははっきり言って安い。いいイベントです。楽しかった!

(つづく)
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by inwine | 2009-05-09 21:03 | そのほか