カテゴリ:ワイナリー訪問( 58 )
山梨ワイナリー訪問 2007/12 <その2>
金井醸造場の金井一郎さんは、いまや「自然派ワイン」の造り手として日本を代表する存在。各メディアで日本のワインが取り上げられる際、必ずといっていいほど名前をお見かけする有名人です。
実は栽培から醸造までワイン造りに関わっているのは、ほとんど金井さん1人だけ。そのため、いつ何時も多忙だと思うのですが、直前に連絡して押しかけてしまいました。スミマセン!

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今回、試飲させていただいたのは3アイテム。
金井さんのワインは、どれも非常に独特です。その味わいについては、近いうちに改めてアップするつもりです。

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「すべて一人でまかなうのは大変でしょうが、人を増やす気は?」とお聞きすると、「自分自身のワインを作るためには、安易に人は増やせない」という答えでした。
「瓶詰めが終わるまで、ずっと気が抜けないんですよ」と笑いながら話してくれましたが、大変な苦労があることは想像に難くありません。ロワールのビオの代表的な作り手、マーク・アンジェリの話を例にしながら、自分自身で栽培と醸造をすべてコントロールすることの重要さを語ってくれました。今は規模の拡大よりも、生産農家にビオロジックへの理解を深めてもらうことの方が大きな課題だそうです。

「最近、畑に勝手に入り込む人が増えて困り始めたんです。」との話もうかがいました。

「自分もブルゴーニュの畑で記念写真を撮ったりしたこともあるから、気持ちはすごく良く分かるんだけど、どうしても立ち入った人の“気”が入っちゃうんですよね。」

いわゆるビオディナミについては、フランスの生産者の記事を雑誌などで読むだけだったので、こうしたコメントを直接聞けたのは刺激的な体験でした。あらためてビオという方法論の困難さに触れたような気がします。

金井さんはこの日もお仕事の合間でしたが、きちんと真摯な対応をしていただき、こちらは本当に恐縮しきりでした。金井さんに限らず、若いワインメーカーの方々は忙しい中でも、みな情熱的にワイン作りを語ってくれます。訪問者にとって、これほどうれしいことはありません。

金井醸造場を後にして、ひとまず駅まで歩いて戻ることにしました。
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by inwine | 2007-12-25 19:35 | ワイナリー訪問
山梨ワイナリー訪問 2007/12 <その1>
暮れもいよいよ押し詰まってきましたが、時間が空いたので勝沼方面へ行ってみることにしました。どこもかしこも忙しいこんな時期、ちゃんと相手をしてもらえるか少し不安もありますが、とにかく出発!
朝の特急に乗りこみ西へ向かいました。まず目指すのは山梨市駅です。


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駅に降り立って最初に向かったのはアサヒビール傘下のワイナリー、サントネージュワイン
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改札を出て数分で到着。敷地に入ってすぐ、大きな工場が目の前に現れます。

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残念ながら工場内の見学は行っていないそうです。建物内にいた社員の方に試飲をお願いすると、テイスティングルームに案内してもらえました。

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サクサクと試飲は進みます。こちらで使用されているぶどうは山梨(主に白品種)と山形の上山市で栽培されているそうです。「カベルネソービニヨン樽造り 2002」にはバランスの良さを感じました。今回はこれを購入。

このワイナリーの元々の発祥は、戦後間もなくにまでさかのぼるとのこと。試飲室には歴史を感じさせる物がたくさん陳列してありました。

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では次の目的地へ。今度は金井醸造場です。
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by inwine | 2007-12-23 14:14 | ワイナリー訪問
キザンワイン&シャトー酒折
ワインフェスへ向かう前に2つの醸造所を訪ねてみました。

最初は塩山のキザンワインさん。

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この日試飲可能だったのはベーシックなキザンワインの白と赤のみ。ですが、こちらはすでにリリース直後に購入済みだったため、今回は試飲はせずスパークリングだけを購入して帰ることにしました。ご多忙の中 突然お邪魔して、お仕事を中断させてしまいました。スミマセン!
畑は自由に見ていいですよ、とのことでワイナリー裏にある畑を見せていただきました。

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今はこんな感じです。

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次に訪ねたのはシャトー酒折。

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こちらのワイナリーは山の上に立つ大規模な施設でした。見学システムも整備されていて、ガラス越しに階下の醸造施設を見るスタイルです。NHKの見学コースって確か、こんな感じだったような…。
残念ながら撮影禁止とのことで、この部分の画像はありません。ハイテクな感じの機器が並び、発酵タンクも巨大でした。ろ過はにごりワインを除き、珪藻土、シート、メンブランフィルターの3種類を行っているそうです。

こちらは外観。
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最後に大量のボトルが眠る地下セラーを通って、見学コースは終了。3階の試飲&販売コーナーへ戻ります。

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これは蛇口から直接注ぐスタイルの、新酒の試飲用タンク。

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「マスカットベリーA・樽熟成」がお目当てだったのですが、残念ながら売り切れ。代わりに瓶熟モノをいただきました。

シャトーの入口前には雄大な山が。紅葉が見事でした。

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by inwine | 2007-12-05 14:41 | ワイナリー訪問
丸藤酒造さん
今回の訪問で最後に訪れたのは丸藤酒造さん。
ルバイヤートワインでおなじみの有名な醸造所だ。

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国道のJA直売所近くから斜面を登ると、すぐに看板が見えてくる。
距離はほんのわずかだが傾斜は少々きつく、なまった体の私は少し息切れしてしまった。
途中、小学生の男の子が「こんにちは」と声をかけてきた。
勝沼の町を歩いていると出会った子供たちが必ず挨拶をしてくれる。
学校の指導なのだろうが、訪問者にとってはうれしい歓迎だ。

中に入ると女性が迎えてくれ、試飲をお願いすることができた。
カウンターにずらりと並んだボトルを、次々にグラスに注いでくれる。

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醸造所の方にお話をうかがいながら、試飲をするのはやはり楽しい。
日本の食べ物にはやはり日本のワインが合うのでは、という意見に深くうなずく。
このワイナリーでは限定品なども含めて、実にさまざまな種類のワインを世に出している。
写真にあるのは、そのほんの一部。
1つ1つにそれぞれ異なる想いがこめられていることが、お話から伝わってきた。
ヴィンテージの差や樽の使い方の違いで、同じ甲州ぶどうも性質はまるで変わってくる。
それをどう美味しく、個性あるワインに仕上げるかが作り手の腕の見せ所なのだ。

お邪魔したのは数十分ほどだったが、帰る頃にはすっかり日が落ちていた。
購入したワインのほとんどは宅配便で送っていただき、
「ルージュ2004」と「甲州2002」を1本ずつだけ持ち帰ることにした。
今日はワイナリーをめぐる途中で、直売の野菜を買っている。それに甲州名物「ほうとう」も。
家でそれを鍋のように囲み、ルバイヤートワインを堪能するつもりだ。

高速バスの停留所に歩いて向かうと、歩道橋の上から月がのぞいていた。

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by inwine | 2007-11-01 10:58 | ワイナリー訪問
ダイヤモンド酒造さん
山梨ワイナリーめぐり、3軒目にお邪魔したのはダイヤモンド酒造さん。

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奥様が出迎えてくれ、試飲をさせていただいた。

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数種の甲州とシャルドネ、そして2種のマスカットベリーA。
「シャンテ Y・AますかっとベリーA」に初めて出会ったのは鴨宮のかのや酒店だった。
あるブルゴーニュワインを見つけた後、「国産のピノはありますか?」と尋ねたところ、紹介されたのが「それいゆピノ」。
そしてさらに「何か他にも…」とお願いしたところ、「ピノ・ノワールがお好きなら、これはいかがでしょう?」と薦めてもらったのが、この「ますかっとベリーA」だったのだと思う。

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このワインを飲んだことで、ベリーAワインへの印象は大きく変わった。とても複雑味を持ったすばらしいワインだと思う。
今回は「ますかっとベリーA Plus」も購入することにした。さらに「黄金の甲州」と「シャルドネ」も。
「黄金の甲州」はブラインドで飲んだら、絶対に当てられないような不思議な味わいだった。
途中から息子さんの雨宮吉男さんも説明に加わってくださり、東京でこのワイナリーのワインを飲める店を紹介していただいたりした。お忙しい時期にもかかわらず、ありがとうございました。
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by inwine | 2007-10-31 15:24 | ワイナリー訪問
原茂ワインさん
10月終わりの山梨訪問。昼食は原茂ワインさんの2階にあるカフェ「Casa da Noma」でとった。
私も同行した連れ合いも、頼んだメニューは「パンの気まぐれブランチ」。
ワインは私が「甲州シュール・リー」、相方が赤の「甲斐ノワール」だ。

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舞茸のソテーやゴーヤチャンプルー、トマトのソーセージ。
やさしい味わいのおかずが少しずつ盛られた、思わずうれしくなるごちそうだった。
ボリュームも十分。ワインとの相性はもちろんばっちりだ。

食事の後、1階で試飲をさせてもらう。

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甲斐ノワールは04と05の両方を試飲させていただいた。
「飲み比べると違いがはっきりしますよ。」というお話の通り、まったく個性の異なるワインだった。
より骨格のしっかりした印象のある04を購入。加えて爽やかな甘さが魅力的な「ハラモヴィンテージ 甲斐ブラン」も買うことにした。
さらに試飲をしなかった「ハラモワイン甲州」も追加。親しみやすいラベルが記憶に残っていて、一度飲んでみたいと思っていたのだ。


試飲を終えてタクシーを待つ間、入り口付近に広がるぶどう棚を眺めた。
もうワイン用品種の収穫はほとんど終わってしまっている。残っているのは生食用のものばかりだ。

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「甲州 歴史1200年」の文字に、このぶどう品種への誇りが伝わってくる。

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数日後、「ハラモワイン甲州」を早速 自宅で飲んだ。
実は1000円台前半という価格帯から、ワインだけでも楽しめるような軽いボディを想像していた。
しかし実際は豊かなミネラル分を感じる、しっかりとした骨格のワインだった。
連れ合いの感想は「ソーヴィニヨンブランみたい。」 そう、確かに良質のソーヴィニヨンブランによくある、かすかな塩気を感じる。魚介類との相性はぴったりだろう。文句なしのコストパフォーマンスだと思う。いいワインをまたひとつ見つけることができた。
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by inwine | 2007-10-30 15:42 | ワイナリー訪問
旭洋酒さん<2>
前回に続き、旭洋酒さんのお話。

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以前 なじみのレストランに協力してもらい、さまざまな地域のピノ・ノワールを飲み比べる会を開いたことがある。
実はこの時、「日本代表」として旭洋酒の「それいゆピノ・ノワール」を出した。


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日本では「ピノ」はまだ決してポピュラーな品種とはいえない。栽培は難しいとされていて、世界でも成功を収めている地域はわずかだ。けれど旭洋酒さんのピノを飲んだとき、私はその美味しさに目を見張った。「日本でピノ・ノワールは無理」という先入観にとらわれていたのだろう。


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「日本代表」は大活躍だった。ブラインドでの会だったため、先入観なく味わえたせいもあるだろう。多くの人がこのワインを上位に挙げ、ブルゴーニュワインにもひけをとらない高評価だった。







そんなこともあって、ぜひ旭洋酒さんにはうかがってみたいと思っていたのだが、今回 念願かなって醸造所を訪問し、奥様から栽培・醸造についていろいろなお話をうかがうことができた。
一口にピノ・ノワールといっても、日本ではヨーロッパなどとは違って棚栽培の手法を用いるため、育て方がまったく異なること。土壌の違いなどからクローンの選び方も変わってくること。
お話を聞いているうちに、前述のワイン会で「勝った」ような気分になった自分が恥ずかしくなってきた。当たり前のことだがワインとはそれぞれが独自の個性を持った作品で、競争や勝負の道具ではないのである。(まあ、それでも「飲み比べ」などの企画はやっぱり面白いのも確かなんだが。)

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自戒の念も胸に刻みつつ、圧搾機をはじめとするさまざまな機器も見せていただいた。途中からはご主人にも加わっていただき、さらにお話をうかがえた。お忙しい時期であったと思うが実に丁寧に対応していただき、感激の想いだった。12月にリリースされるという次のビンテージが、今から楽しみだ。
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by inwine | 2007-10-28 09:35 | ワイナリー訪問
旭洋酒さん<1>
秋も深まった十月の終わり、山梨を訪れた。向かったのは山梨市に位置する旭洋酒さん。「ソレイユワイン」でおなじみのワイナリーだ。
経営されているのは若い鈴木さんご夫婦。なんと、ほぼ2人だけですべての作業をこなしているのだという。迎えてくれたのは奥様だった。早速試飲をお願いしながら、いろいろとお話を伺った。

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出していただいたのは「ソレイユ・クラシック白」、「ソレイユ甲州2006」、そして「ソレイユ・クラシック赤」。


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「クラシック白」は甲州100%。とても素直でクリーンなワインという印象だ。酸や甘み、そして甲州独特の渋みのバランスが素晴らしい。何のストレスも感じずにすいすいと飲める楽しいワインだが、その楽しさは綿密な設計のもとに生まれているようだ。奥様によれば、このワインで「甲州種のスタンダード」を作ろうとしたとのこと。つまりお二人が甲州ワインの基本と考えるスタイルを、実際に形にしたというわけだ。言われてみればまさにそのとおり。甲州ぶどうの個性がひとつずつ丁寧に引き出されているのが分かる。






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もう1つの白ワイン、「ソレイユ甲州2006」は「基本形」から一歩進化したワインといえるのではないだろうか。特別に糖度の高いぶどうを用いたというだけあり、しっかりとしたボディと豊かな甘みを感じるが、一方で酸味も十分に備えている。決して鋭角的ではなく、柔らかく爽やかで、美味しい酸だ。もちろん今飲んでもとても楽しめる。けれどこれだけ複雑な要素を備えていれば、数年後にはさらに凄いワインになっていそうだ。







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そして「クラシック赤」。実にチャーミングで美味しいワインだった。マスカットベリーA主体だが、これもやはりお二人の考えるベリーAワインの「基本形」なのだろう。日本の赤ワイン品種としては非常にポピュラーなぶどうだが、実は美味しいワインを作るのはかなり難しいのではないかと思う。ベリーAと聞いただけで敬遠する人が多いのも決して偏見のせいだけではないだろう。しかしこの「クラシック赤」は「白」と同様に、ぶどうの持つ個性がはっきりと感じ取れる。日常の食事と共に楽しく味わいたいワインだ。






このワイナリーを訪れたいと思っていたのには、実は理由があった。<次回へ続く>
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by inwine | 2007-10-28 08:55 | ワイナリー訪問