梅雨晴れの日、山梨へ。<1>
しばらくぶりに山梨方面へ行ってきました。今回は、普段仲良くさせてもらっている仙川のイタリアンレストラン「ラ・マンチーナ」のシェフとサービスの方も一緒です。私の洗脳作戦(?)の効果もあってか、近頃、国産ワインに興味をお持ちのお二人。梅雨の晴れ間となった定休日に、一緒にかいじに乗り込みました。

まずは勝沼ではなく石和温泉駅へ。目指すはシャトー酒折です。この時期、高台にあるシャトーの周囲は豊かな緑に包まれていました。

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今は梅酒の仕込みの真っ最中という井島さんに、醸造設備を案内してもらいました。(お忙しい中、ホントにありがとうございました。)以前に訪れたときは上階からガラス越しに見るだけだったのですが、今回は間近で見せていただけます。

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発酵タンクから温度管理システム、さらに酵母や酸化防止剤まで。醸造現場の最前線との対面はワクワクするような体験です。

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このプラスチックケースのような箱はなんと発酵槽。アメリカ製だそうです。

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下の写真は、貯蔵タンク内にあるワインの酸化を防ぐための「ドライアイス製造機」。

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実際に入れるところまで目撃です。

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しかし何よりも感銘を受けたのは、井島さんのお話。

シャトー酒折では低価格帯のワイン(特に甲州)を、大規模な生産体制で市場に送り出すことを重要なテーマとしています。こうしたスタンスに立つことで国産ワインの普及・浸透を物量的な面から支え、さらには栽培規模の減少が続く甲州ぶどうの引き受け先という役目を担っているわけです。
少量生産の、いわゆるブティックワインのメーカーとは正反対ともいえる立場ですが、現在のワイン産業の中でこうした役割はとても重要な意味を持っているはず。

「日本では、ものすごい量のビールや発泡酒が消費されている。でもワインの年間消費量は平均で2~3本。この数字を何とか上げたいんです。」
そのため1000円台のリーズナブルな価格帯の甲州は、とても大きな意味を持つ商品だといいます。

醸造において井島さんが目指すのは、雑菌などの不要な要素を徹底的に排除すること。「これがウチの心臓部です。」と誇らしげに指差す先には、細かく分解した機器の部品ひとつひとつを、何種類もの薬品で洗浄する光景がありました。こうしたクリーンな環境を作ることで、亜硫酸の添加量も減らせるそうです。

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「醸造過程で余計なモノが入らないから、ワインにはその年のぶどうの個性がはっきりと現れます。」と井島さん。生産量という課題もあるため、ぶどうの選別という点ではある程度の限界もありますが、その分を醸造でカバーするというスタンスは潔く、そして明快です。

農薬や酸化防止剤に関する考え方もワイン同様、クリアそのもの。
「完全なノンボルドーやSO2無添加など「何も使わない」という制限的な考え方は最初からしません。必要なモノは必要な分だけ使う。」
醸造に関する新しいテクノロジーについても、頭から否定するようなことはせず、良いものがあれば積極的に取り入れていく姿勢です。この日も試験的に使ったという酵母の栄養剤を見せてもらいました。

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前述した自家製ドライアイスも、井島さんが海外で研修した際にヒントを得たアイデアだそうです。

設備の見学後はセラーで試飲もさせていただきました。
樽の中で眠っていたマスカットベリーAは、見事に熟成しています。
そしてキュヴェ・イケガワも。

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ひっそりと暗い地下セラーで試飲をしながら、話題は栽培家の池川仁氏のお話に。

「日本には日本の土壌・気候に合ったぶどうの育て方があって、すべてが西欧の教科書通りにはいかない。池川さんにはそれが分かっているんです。」

高品質のベリーAを生み出すメソッドが他のワイン用品種でも応用できるなら、日本のワインは今後、さらに大きな飛躍を遂げるかもしれません。

最後はカウンターで、数種類の甲州やベリーAを試飲。何から何までお世話になりっぱなしです。
お話を伺いながら味わっている途中、観光バスが到着。フロアはあっという間に大勢のツアー客で一杯になりました。その大半の人は普段、あまりワインとはなじみがないはず。こうした機会を通じて、国産ワインに触れる人々は確実に増えているわけです。

お忙しい中、井島さんには3時間近くも案内をしていただき、恐縮するばかりでした。
「今度は畑も」という言葉までいただきながら、魅惑の社会科見学は終了。井島さんの人柄に改めて魅了された気がします。

さあ、次はシャトレーゼへ! (続く)
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by inwine | 2008-06-25 17:23 | ワイナリー訪問
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