旭洋酒さん<1>
秋も深まった十月の終わり、山梨を訪れた。向かったのは山梨市に位置する旭洋酒さん。「ソレイユワイン」でおなじみのワイナリーだ。
経営されているのは若い鈴木さんご夫婦。なんと、ほぼ2人だけですべての作業をこなしているのだという。迎えてくれたのは奥様だった。早速試飲をお願いしながら、いろいろとお話を伺った。

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出していただいたのは「ソレイユ・クラシック白」、「ソレイユ甲州2006」、そして「ソレイユ・クラシック赤」。


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「クラシック白」は甲州100%。とても素直でクリーンなワインという印象だ。酸や甘み、そして甲州独特の渋みのバランスが素晴らしい。何のストレスも感じずにすいすいと飲める楽しいワインだが、その楽しさは綿密な設計のもとに生まれているようだ。奥様によれば、このワインで「甲州種のスタンダード」を作ろうとしたとのこと。つまりお二人が甲州ワインの基本と考えるスタイルを、実際に形にしたというわけだ。言われてみればまさにそのとおり。甲州ぶどうの個性がひとつずつ丁寧に引き出されているのが分かる。






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もう1つの白ワイン、「ソレイユ甲州2006」は「基本形」から一歩進化したワインといえるのではないだろうか。特別に糖度の高いぶどうを用いたというだけあり、しっかりとしたボディと豊かな甘みを感じるが、一方で酸味も十分に備えている。決して鋭角的ではなく、柔らかく爽やかで、美味しい酸だ。もちろん今飲んでもとても楽しめる。けれどこれだけ複雑な要素を備えていれば、数年後にはさらに凄いワインになっていそうだ。







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そして「クラシック赤」。実にチャーミングで美味しいワインだった。マスカットベリーA主体だが、これもやはりお二人の考えるベリーAワインの「基本形」なのだろう。日本の赤ワイン品種としては非常にポピュラーなぶどうだが、実は美味しいワインを作るのはかなり難しいのではないかと思う。ベリーAと聞いただけで敬遠する人が多いのも決して偏見のせいだけではないだろう。しかしこの「クラシック赤」は「白」と同様に、ぶどうの持つ個性がはっきりと感じ取れる。日常の食事と共に楽しく味わいたいワインだ。






このワイナリーを訪れたいと思っていたのには、実は理由があった。<次回へ続く>
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by inwine | 2007-10-28 08:55 | ワイナリー訪問
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