シャトー・ジュン 『セミヨン 2008』

勝沼のランドマーク・ぶどうの丘のすぐ近くにあるワイナリー
シャトー・ジュンへ行ってきました。

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こちらの親会社はアパレルメーカーの『JUN』。
本体は知名度も高く、規模も大きなグループ企業ですが
ワイナリーは、ほぼご夫婦2人で運営。
一般の酒販店などには、限定的にしか出荷していません。

親会社の取引先である、そごう、西武、東急などの大手デパートでは
何アイテムかを入手することができるようです。

エチケットのデザインは銘柄ごとにまったく異なり
かなり力を入れていることがうかがえます。

建物はこじんまりとしていて、設備も効率よさそうな造り。

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ワイナリーの歴史などについて、奥さまの仁林昌代さんに話をうかがいました。
創業は1979年。もう30年もの歴史があることになります。
実は金井醸造場と古くからお付き合いがあるそうで、
以前は現当主、金井一郎さんのお父さんが醸造の指導をしていたとか。

醸造担当は、ご主人の仁林欣也さん。
最初はご不在でしたが、奥さまにお話をうかがっているうちに戻られ
ワインについていろいろと説明をきくことができました。

甲州、シャルドネなどをはじめ数種類を試飲。

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最も感銘を受けたのは『セミヨン 2008』でした。

仁林さんご自身も特に力を入れている葡萄とのことで、
試飲の際、奥さまが「これはうちの一押しなんですよ」と
勧めていただいたのが印象的でした。

2008は最新ヴィンテージですが
毎年、さまざまな試行錯誤を重ねていらっしゃるとのこと。
確かにワインの味わいも、ヴィンテージによってかなり異なっています。

実は買い付けに訪れたソムリエや、醸造アドバイザーの方が
仁林さんの自信作とは違うモノを選ぶことも、しばしばあるそう。

これはひとつひとつのワインが、それぞれ個性は異なりながらも
皆しっかりとしたクオリティを持っている証拠といえそうです。

他にもカベルネ・ソーヴィニヨン、甲斐ノワール、メルロ、アジロンなど
多くの品種を手がけていらっしゃいますが、
「次にやってみたい葡萄は?」とお聞きしたところ
帰ってきた答えは「ソーヴィニヨン・ブラン」。もう準備は整っているそうです。

現在もソーヴィニヨン・ブランのワインを造っているワイナリーは
日本各地にありますが、仁林さんの思い描いているワインは
ニューワールドのトロピカル系ではなく、フランス的なタイプとのこと。
それをお聞きして、ピンときました。
「ボルドーですね?」
「そうなんです。」とニッコリ。

セミヨンとソーヴィニヨン・ブランのブレンドで
グラーヴの白ワインのスタイルができたら、というのが目標だそうです。
「では樽に入れたりすることも?」
「ええ。考えてます。」

メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨンなど、赤のメリタージュはしばしば聞きますが
白のボルドースタイルというのは、他ではあまり聞いたことがありません。
ユニークかつ、ワクワクするような挑戦です。
セミヨンの完成度を考えても、実現する日は近いかもしれません。
今からとても楽しみになってきました。

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ご夫婦お二人ともとても気さくな方で、ざっくばらんに
いろいろな話を聞かせていただくことができました。
ありがとうございます!

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『セミヨン 2008』


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セミヨンらしい華やかな香り。砂糖をまぶした焼き菓子のよう。
そこにハーブの爽やかな芳香が加わります。

味わいは丸いレモンの酸味とミネラル、日本の水あめのような伸びのある甘み。
中盤のボリュームが豊かで、しっかりとした食事に合わせたくなります。
後口のほのかな苦味も心地いい。

一緒に食べたのは「銚子産蒸しサバのトマトマリネ」。

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千葉の「留蔵」というメーカーの惣菜です。
東急東横店に出店してたので買ってみたのですが
予想以上にウマかったです。
サバの生臭さがないのは、やっぱり蒸してあるからなんでしょうか。

そしてメインは金目鯛のアクアパッツア。

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いよいよ金目も旬に入りかけてきました。
脂の乗り始めた肉厚の身を水と白ワインだけで蒸し焼きに。
美味しい。幸せです。
ちなみに残ったスープで作ったリゾットは、本体以上に幸せの味でした。

肝心のワインとの相性もバッチリ。
サバの濃厚な脂と柑橘系の酸味、肉厚のボディ、ミネラル感がしっかりとマッチします。
ちなみに少しだけ食べた生ハムとも良く合いました。
どちらもワインの内に秘めた力強さを引き出すようなマリアージュです。

アクアパッツアも金目の旨みと絶妙の相性。
さらに上に散らしたタイムとディルの香りが、
ワインのハーブ香とうまく共鳴します。

本当にバランスのとれたなめらかなワインで、食中酒として最高。
上品で、信頼感のある大人のセミヨンです。
2本買っておいて良かった。次は何と合わせようかな。
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by inwine | 2009-11-17 13:39 | 日本ワインを飲む
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