軽井沢・クーカルのイベント「つくり手たちと飲み、食い、語らう日本ワインの会」へ行ってきました。
今回のイベントは屋外がメイン。立食で料理とワインを楽しむというカジュアルなスタイルです。 夏本番といった感じの天気の中、まるでキャンプに来たような楽しさがありました。 参加したワインメーカーは下記の通り。(主催者の一人、鹿取みゆきさんの「TRIPPA通信+1より転載」) 北海道 「ドメイヌ・タカヒコ」 曽我貴彦さん 「ナカザワヴィンヤード」 中澤一行さん 山形 「タケダワイナリー」 岸平典子さん 「酒井ワイナリー」 酒井一平さん 山梨 「ルミエールワイナリー」 小山田幸紀さん 「四恩醸造」 小林剛士さん 長野 「Kidoワイナリー」 城戸亜紀人さん 「小布施ワイナリー」 曽我彰彦さん 通常、こうしたイベントでは造り手の方々がワインをサーブしたりすることが多いのですが 今回は参加者と同じスタンスで、共に料理を食べワインを飲むという形式。 肩の力を抜いていろんな話ができるわけで、これはかなり貴重な体験です。 実際、あちこちで老若男女の参加者と醸造家・栽培家の皆さんが盛り上がっていました。 しかも供される料理はそれぞれのワイナリーの地元素材を使ったもの。 ひとつひとつのマリアージュを楽しめるという夢のような企画です。 まずはウェルカムドリンクの四恩醸造・クレマチスロゼを一杯。 そして主催者の皆さんの挨拶のあと、タケダワイナリーのサンスフル白で乾杯! いよいよ会のスタートです。 8人の方々とお話をしながら、次々に運ばれるワインと料理をいただきます。 ワイン会でよくお会いする方ともお話につきあっていただきながら、楽しい時間を過ごすことができました。 タケダワイナリー・岸平さんの普段見ることのできない、お茶目な素顔は本当に魅力的。 「ビオカレンダーは教科書です」という言葉もちょっと意外でした。 乾杯のサンスフルはワイナリー所蔵の2008年。 新酒的な扱いのワインですが、年を越した今、少し熟成感が出てきて ますます美味しくなってました。さすがです。 酒井ワイナリー・酒井さんは山形の若手のワインを引っ張っていくという決意を語ってくれました。 でもお酒はあんまり強くないらしく、会の終わり頃は強烈に眠そうな姿がチャーミングでした。 スペシャルブレンド2007年は相変わらずの美味しさ。 合わせた料理は高畠産の豚肉のチャーシュー。 スパイスの香りがワインの香りを引き出して、相性バッチリでした。 ルミエールの小山田さんは軽妙でざっくばらんなトークが大人気。 酒井さんとの掛け合いは絶妙で、大爆笑でした。 南野呂のベリーAは前にも書きましたが、ホントに美味しい。山梨でも屈指の一升瓶ワインだと思います。 四恩の小林さんもノリノリ。 岸平さんの料理を奪って食べちゃったり、まるでガキ大将です。 最近、桃の栽培も始めたそうで 「桃は虫には強いけど病気に弱い。育てるのは大変です」とのこと。 ちなみにこの日は「つよぽんが育てた桃のサラダ」が登場。 冷たいクレマチスロゼとばっちりの相性でした。ごちそうさまです! 城戸ワイナリー・城戸さんは去年の秋の塩尻のイベントでお会いして以来。 最近、スタッフがお一人加わったそうです。 大学の醸造科などではなく、ハローワーク経由で募集されたそうですが、 その理由は「ワイン造りは派手なイメージがあるけれど、現実は地味で大変な作業。 だからきちんと社会人経験のある堅実な人を採用したかった」とのこと。 物静かで、情熱を内に秘めた城戸さんらしいお話でした。 城戸さんのお話にはいつもはっとさせられるような刺激があって、 ついついいろんなことをお聞きしてしまいます。 そのせいか、写真を撮り忘れてしまいました…。 持ってきていただいたワインは最近発売されたばかりの プライベートリザーブのメルロとシャルドネ2007年。 柔らかで深みのある果実味が体に染みこむようなワインでした。 小布施の曽我さんにはいろんな話の中で、酸化防止剤に関するお話を聞いてみました。 「答えは単純です。僕は伝統的なワイン造りに反することはしないのがモットー。 酸化防止剤は樽の硫黄燻蒸という形で、昔から添加されてきました。 その手法を否定するのは18世紀以降のワイン作りを否定するようなものです」 なるほどー。 ちなみに弟の貴彦さんの意見はまた少し違いました。 当たり前かもしれませんが、兄弟でも考え方は少しずつ違うものですね。 最近、ご結婚されたとのこと。おめでとうございます! ワインはやはりリリースしたばかりのルヴァン・ナチュレル・カベルネ・フラン。 フランのナチュレルは初だそうですが、コレ、めちゃめちゃ美味しいです! 買わなきゃならないワインがいっぱい見つかっちゃって、頭痛い…。 初めてお会いしたのは北海道のお二人。 ナカザワヴィンヤードの中澤さんには、北海道のワイン造りの現状、可能性と問題点や ご自身の今後の展望などいろんなお話をお聞きすることができました。 苗木作りに関する、ちょっとびっくりするようなお話も。 とても勉強になりました。 ワインはもちろんクリサワブラン。 このワイン、時間を空けて定期的に飲む機会に恵まれましたが どんどん美味しくなっていく気がします。 ドメイヌ・タカヒコの曽我さんには これからのワイン造りについていろいろとお聞きしました。 詳しいことはアレですが、どうも近い将来、かなりすごいワインが世に出るのは間違いないようです。 話に夢中で料理を食べ損なったりしてしまいましたが、ホントにとても楽しい会でした。 目黒・キッチンセロのスタッフも総出でサービスを担当していただきました。 意外な食材とワインの組み合わせには、まさに目からウロコ。ベリーAとマトンがこれほど合うとは思いませんでした。 びっくりしていると「山形ではよく食べますよ」と岸平さん。そうなのかー。 ちょうど会が終わる頃、雨が。4時間以上もの会でしたが、あっという間でした。 従来のワイン会とは少し違う、広がりや可能性を感じることができたイベントで、本当に楽しい時間でした。 その分、主催者側には通常以上のご苦労も多かったはずです。 スタッフの皆さん、そして醸造家、栽培家の皆さん、ありがとうございました!
by inwine
| 2009-08-15 11:29
| 日本ワインを飲める店
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