栃木 ココ・ファーム・ワイナリー

栃木県・足利のココ・ファーム・ワイナリーに行ってきました。

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東京から足利駅までは約1時間半。そこからタクシーに15分ほど乗って到着です。
今回は毎日行われている見学コースに参加してみました。

まずは山一面に雄大に広がる畑の前で、ワイナリーに関する簡単な説明を受けます。

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有名な話ですが、母体は知的ハンディキャップを持つ人々のための「こころみ学園」。
園生の運動のために斜面に葡萄を植えたのが栽培の始まりだったそうです。
そこから次第にワイン作りに着手。
やがてアメリカから醸造コンサルタントのブルース・ガットラブさんを招聘して、
ワイナリーとして今日の名声を築いていきました。
しかし、今に至るまでの道のりは決して平坦なものではなかったはずです。

「よくないワインができたときにも、絶対にハンディキャップのせいにはしない」という
川田園長とブルースさんの約束のもと、
「同情ではなく品質でワインを買ってもらう」ことを誓って歩んできた誇り高きワイナリー。
その志の高さには多くのことを考えさせられます。

ところでこの斜面、ウワサには聞いていましたが、実物は予想以上の迫力。

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最も急なところで45度の傾斜だそうです。
スキーの上級者コースが35度程度らしいので、かなり強烈な急勾配といえます。

まずは醸造機器を見学。とはいってもこの時期、醸造は完全にお休み中です。

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プレス機も除梗破砕機も選果台もみんな端のほうに片付けられていました。

次はセラー。

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そしてシャンパーニュスタイルのスパークリング、「ぐらんのぼ」のセラーへ。
ピュピトルにずらりとボトルがささっていました。

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これを毎日、少しずつルミュアージュするという、クラシカルなスタイルで作業を行っているそうです。
ドサージュ機も打栓機も昔ながらのこんな手動式がバリバリ活躍中。

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印象的だったのは、このスタイルを採用したきっかけです。
スタッフがシャンパーニュに視察に行った際、動瓶作業を見て「これは園生の作業として取り入れられる」と閃いたとか。
伝統的な手法の陰に、そんなエピソードがあったとは!

次はいよいよ畑へ。
一番下部にある生食用のブラックオリンピアの前で、畑の話をお聞きします。

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遥か遠くに見える頂上部に植えられているのはマスカット・ベリーA。
フラッグシップワインのひとつ「第一楽章」に使われている葡萄です。

その下は意外にも甲州三尺×リースリングの交配品種、リースリング・リオン。
これはスパークリングの「のぼブリュット」に使われています。

そこから下へ順番にノートン、タナ、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・マンサン。

畑の獣害について聞いてみたところ、最近はイノシシが多いとの話。対策は夜間に照明を当てることだそうです。

「興味があれば、上まで登ってもらって構わないですよ」との言葉をいただき、斜面に挑んでみることにしました。
いちおう舗装された道はあるのですが、勾配はやっぱりかなり急。足首が縦に曲がる感じです。

葡萄の樹はすべてスマート・マイヨルガー方式の棚仕立て。
しかし、ここの畑をこまめに見て回るのは大変だろうなー。

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畑の陰でひそかに咲く百合を見つけたり。

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途中で下を見下ろすと…。

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でもやっぱり歩き始めてすぐに息が切れてきました。結局“五合目”ぐらいで下山を決意。
この後、試飲もしたいので勇気ある撤退です。

「この辺にしといてやるか」とつぶやきつつ、さきほどの場所まで戻ると、
栽培担当のスタッフ・島野さんを発見。

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作業中にお邪魔かとは思ったのですが、少しだけ立ち話に付き合っていただきました。
見上げるような斜面ですが、一番上のほうも見た目ほどは気温は変わらないそうです。
ただ夜温は少し低めとのこと。

今年の生育状況についても聞いてみたところ、
やはり梅雨明け宣言後の雨が続いたことが、かなり悩みの種のようです。
それでも例年通り、よい葡萄ができそうとのことでした。来年のワインも楽しみです。
話をするうちに、なんとこのブログのことを知っていてくれたことも判明。ちょっとうれしかったです。

ではワイナリーの建物に戻り、カウンターで試飲を。

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案内をしていただいた加納さんにワインを注いでいただきながら、
ワインをめぐるいろんな話で盛り上がりました。

リリースされたばかりの北海ケルナー2008は野生酵母使用(現在はほとんどのワインが野生酵母で発酵させているそうです)。
発酵が途中で止まったため、残糖を残したタイプになったとのことですが、アルコール分は14.5%もあります。
すっきりした甘さと太い骨格をあわせ持つワインです。

「園長先生の白ワイン」のイラストが南伸坊画伯だったとは知りませんでした。
この人の「面白くっても大丈夫」という本は中高生の頃、大好きでした。関係ないけど。
ちなみにボトルの中身はときどきスーパーでも見かける「足利呱呱和飲」。やわらかくて面白いワインです。

「マタヤローネ」はアマローネをもじった甘口ワイン。
こちらもリリースされたばかりで、ワイナリー以外ではあまり出していないようです。

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ベリーAの香りがはっきりと感じられる(当たり前ですが)デザートワインで、なんだかうれしくなる美味しさでした。
ワインの名は園生たちが農作業のあと、「またやろうね」と言い合う言葉が由来だそう。いい話です。

定番の農民ロッソや農民ドライも、もちろん文句なしの美味しさでした。
農民ロッソの07ヴィンテージはカベルネソーヴィニョン/メルロー/ツヴァイゲルトレーベ/ベリーA/カベルネ・フランのブレンド。
ブレンド具合はまさに絶妙です。香り、アタック、中盤、フィニッシュと「ワインの設計」を感じます。

試飲のあとは併設のカフェでプレートランチ。野菜がすごく美味しかったのが印象的でした。

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この時期だけぐらんのぼが特別にグラス売りされていたので、それも注文。
テラス席から見る畑はこんな感じ。

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お腹もいっぱいになったところで出発。ココ・ファーム、楽しいワイナリーでした。
さて次の目的地に向かいます!
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by inwine | 2009-08-09 11:38 | ワイナリー訪問
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