山梨のアルプスワインに行ってきました。 春になるとピンク色のきれいな花が一面を埋め尽くす、桃の町・笛吹市一宮町にあるワイナリーです。 ワイナリーのショップは、こんな可愛らしい外観。中のインテリアも勝沼などではあまり見られないオサレな雰囲気です。 そして迎えるワインメーカーは、この人。 前島良さん。男っぽいルックスとお茶目なトークが魅力の異色の醸造家です。 南仏のシャトーのような建物と、中にいるこの王様との間には若干のギャップがあるような気も…。 さらに前島さんのワインを飲んでみたら、もっと意外な感じを受けるかもしれません。 実録ヤクザ映画をこよなく愛する前島さんのたたずまいは、ワイルドという言葉がぴったりくる雰囲気。 でも手がけるワインの味わいは非常に繊細です。 特に上位シリーズであるプラチナシリーズの味わいは、トップノーズやひと口目の優しさが本当に印象的。 マスカットベリーAやシラーのしなやかさには本当に驚かされます。 なので最初は「ワインと造る人は違うんだな」と思うかもしれません。 でもワインをさらに飲み、前島さんと話すとその印象は少しずつ変わっていきます。 前島さんの言葉は荒っぽいながらも楽しく、すっと相手をひきつける魅力を持っています。 また細かい気遣いが、言葉の端々から見え隠れするのも分かるはず。 そしてワインはちょうどその逆。飲んでいるうちに、単なる飲みやすさだけではなく 奥に、まさにワイルドでしっかりとした骨格を持っていることが分かってきます。 実は赤ワインの多くは除梗をしていないとのこと。 どうりで柔らかさだけでなく、タンニンや酸もしっかりあるわけです。 そう。実はワインと造り手は、とてもそっくりだったわけです。 こうした発見こそが、ワイナリー訪問の醍醐味。 『ワインは造り手そのもの』ということをいつもしみじみと実感できる瞬間です。
by inwine
| 2009-02-01 10:11
| ワイナリー訪問
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