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北条ワイン

ブログなんと2年ぶりの更新です。この間結構いろんなことがありました。
もちろん震災をはじめとする社会的な出来事もですが、個人的に一番大きな事件はワインショップをオープンしたこと。
東京の京王線沿線にある仙川という街で、去年の2月から『カルタ・デイ・ヴィーニ』というワイン屋をやっております。
主力は日本ワインで約40ワイナリーほどの取り扱いがあります。
また半分はフランス、イタリアなどのワインも扱っていますので、お近くの方はぜひ遊びにきてください!

Wineshop カルタ・デイ・ヴィーニ
東京都調布市仙川町1-15-4 鍋屋ビル2F 03-6279-5274 定休日:月曜日
http://www.carta-dei-vini.com/
アクセスはこちら
http://carta-dei-vini.com/company/

ところで今回の更新を思い立ったきっかけは、ずっと行きたかったけれど、
なかなか足を運ぶチャンスがなかった中国地方のワイナリーを訪問できたこと。
というわけでひさびさのブログのテーマは鳥取・北条ワインです。

北条ワイン_c0140044_175104.jpg


中国地方にもワイナリーはたくさんありますが、中でも北条ワインは歴史も古く、品質もトップレベル。
白の甲州やシャルドネは数年間寝かせることで、独特の熟成感を醸し出しています。
そして葡萄の完熟感がすばらしいカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローをはじめとする赤。
ワインを飲んでから一度は訪問してみたいと思っており、今回 長年の念願がかないました。
山陰本線の倉吉駅まで出迎えていただいたのは、社長の山田定廣さん。
エチケットに「製造者」として記されているその方です。

北条ワイン_c0140044_17512458.jpg


お時間に限りがあるということで、ワイナリーに着くと同時に早速お話をうかがいました。
創業は1944年。当時はワインの製造工程で造られる酒石を軍事利用するために
ワイン醸造が奨励されていました。そんな時代背景の中で山田社長のお父様である先代が独立・創業。
以来約70年、会社の歴史は苦労の連続だったと山田社長は言います。
生計のため、ワイン以外の事業をいくつもかけもちしながら、
ワイナリーとしての看板を下ろすことなく懸命に会社を存続させた父親の姿を目にしてきた社長は、
なんとしてもこの家業を続けなければと決意。
ご自身もまた苦労を重ねながら歴史を受け継いできました。

現在はご子息お二人が醸造と営業をそれぞれ担い、会社を支えています。
「最近は醸造のことにあまり口を出すなと言われとるんです」と笑う社長。
北条ワインの未来は明るそうです。

自社畑は4ヘクタール弱で生産量は年間50~60tほど。
醸造・栽培などを含めスタッフは総勢7人だそうです。
最も多く栽培している品種が甲州というのは少し意外な気もしました。

しばし歴史についてお話をうかがったあとは、畑にも案内していただきました。

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見せていただいたのはシャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローの垣根畑。
樹齢は25年以上だそうですが、まだまだ元気だとのこと。

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驚いたのは土壌。鳥取砂丘にほど近いこの辺りはまさに砂地。
まるで浜辺の砂のようにサラサラです。
フラッグシップ銘柄の一つに「砂丘」という名がついているのはダテではありません。

北条ワイン_c0140044_17522742.jpg


この水はけのよさが、質の高いワインを生み出す秘密のひとつなのでしょう。
粘土質の畑ではあまり必要とされない灌水の設備が畑のあちこちにあったのが印象的でした。
またこの辺りは日中の寒暖差がかなりあるとのことで、そうした面も栽培には有利な条件といえそうです。
冬はやはり雪が多く、数十センチ積もることも。過去2回、葡萄棚が壊れる被害に遭ったそうです。

どの品種も収穫は9月末から10月上旬ごろということで、
甲州などは結構遅いタイミングといえるかもしれません。

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畑のあとは醸造施設も見学。

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天井に備え付けられた古いプレス機。ほぼ木材で作られています。

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ホーローの醸造タンクも歴史の凄みを感じさせます。

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日付に注目してください。

北条ワイン_c0140044_17553472.jpg


伝統の一方で、新しい試みにも果敢にチャレンジされています。
昨年は甲州の瓶内二次発酵のスパークリング『トットリSKY』をリリース。専用のコンテナを敷地内に設置するほどの力の入れようです。

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初めてのチャレンジということで、試行錯誤もされたようですが、
甲州らしさが溢れるとてもユニークな味わいに見事に仕上がっています。

いろいろな疑問を解消するため、なんとシャンパーニュに研修にも行ったそうです。
訪ねたのは小規模生産のいわゆるRMの造り手。
当初、ボトルごとのガス圧に若干の差があることが気にかかっていて、
現地でその点を尋ねてみたら、「そんなのウチでも当たり前」という答えが返ってきたそう。
さまざまな現場の生きた答えを得て、やっと納得のゆくワインが完成しました。
ボトル上部には鳥取砂丘の名物・ラクダの姿があります。

北条ワイン_c0140044_17563215.jpg


中国地方の実力派ワイナリーは、やはり発見がたくさんあるすばらしい場所でした。
いろいろと勉強させていただき、山田社長ありがとうございました!
# by inwine | 2013-01-21 18:05 | ワイナリー訪問
ごあいさつ

みなさま、またまたごぶさたしています。

実はこちらの更新をさぼっている間、仲間たちと一緒に
『JwN 日本ワイン振興ネットワーク』というものを立ち上げました。


ごあいさつ_c0140044_17282643.jpg


日本ワインのためになにかできないかと思って出発したネットワークです。

どんなことを実現していけるのか、まだ未知数な部分も多いですが
イベントや情報発信、農業支援などいろいろなプランを練っているところです。

ウェブサイトでは日本ワインのウェブマガジン、
そしてポータルサイトになれればと考えています。
私もJwNのサイトで記事などを書いていくつもりですので
今後は同サイトをご覧いただければ幸いです。


JwN 日本ワイン振興ネットワーク http://www.nihonwine.com/


まだ船出したばかりですが、これからいろいろ恩返しができればと思っていますので
ぜひともよろしくお願いいたします。

そんなわけで、このブログの更新はひとまずお休みさせていただきます。
今までご覧になっていただいた皆さま、ありがとうございました!
今後はJwNをよろしくお願いいたします。

(ブログはひとまず、このままにしておきますが、スパムコメント防止のため
 コメント欄は閉じさせていただきます。)

それでは、また!!
# by inwine | 2010-12-09 17:34 | そのほか
原稿の執筆をさせていただいた本が出ました!
このたび、私が原稿執筆を担当させていただいた本が出版されることになりました!
書名は「甲州・信州ワイナリー巡り―魅惑のワイン名醸地ガイド」。
監修は田辺由美氏です。

魅惑のワイン名醸地ガイド 甲州・信州ワイナリー巡り―山梨・長野・新潟・栃木・静岡

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田辺 由美

メイツ出版 2010-09
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mixiのほうではすでにごあいさつしたんですが
ここんとこバタバタしてて、ブログでの告知が遅くなってしまいました。
ゴメンナサイ。

一応ワイナリーガイドなんですが、マニアックなワイン情報よりも
レストランやショップ、イベントなど旅ガイド的な実用性重視の本になっています。
一部のワイナリーには造り手への簡単なインタビュー記事もあります。
この夏にあちこち取材に行ってお話を聞いてきました。

情報はいろいろと載っているので、旅のお供にはよいかと思います。
もしご興味があれば、上記amazonからでもご購入いただければ大大感激!です。
ヨロシクお願いします!

(しばらくはこの記事を一番上にしておきます。)
# by inwine | 2010-10-06 11:51 | そのほか
旭洋酒・収穫隊にも参加

今年は旭洋酒の収穫にもお邪魔しました。


旭洋酒・収穫隊にも参加_c0140044_1821039.jpg

しかし今年の夏は暑かった。天候が不順だと、ぶどうも栽培する人も大変です。

今年はどの畑も苦労ばかりと聞いていて、心配だったのですが
ピノ・ノワールのぶどうは、思っていたより全然元気そうでした。

旭洋酒・収穫隊にも参加_c0140044_1824068.jpg

今年もきっとおいしいワインになるはず。なんだか安心です。
# by inwine | 2010-09-24 18:04 | ワイナリー訪問
ごぶさたしています。

・・・と、いうわけで(なんだかわかりませんが)、ブログ再開してみます。

長い間、ご無沙汰してスミマセン。これだけ放置すると、もう誰も見ていないような気もしますが
ボチボチ更新していこうかと思いますのでよろしくお願いします~。

前回の更新は5月。まだ暑くなかったころです。
その間、国産ワインコンクールをはじめ、いろんなイベントがありましたが
5月まで遡って時系列を追うのはもう無意味、というかもう無理なので
思いきって今回はついこないだのお話を。ハハハ。

9月といえば収穫の季節。
今年もシャトレーゼ勝沼ワイナリーでお手伝いをさせていただいているのですが
こないだソーヴィニヨン・ブランの垣根畑で、醸造家・戸澤さんがこんなモノを発見。

ごぶさたしています。_c0140044_11181793.jpg



鳥の巣です。たぶん小さな鳥なんでしょうが、中にはどうやらヒナの気配が…。
ぶどうの房を支えにしていたので、結局周辺のぶどうの収穫はあきらめることに。
結構、立派な巣だけど、鳥ってほんの数日で作っちゃうらしいです。

戸澤さんは縁起が良いと喜んでました。
今年のソーヴィニヨン・ブランは当たり年かも?
# by inwine | 2010-09-18 11:29 | そのほか